【第一話】お客様がいらっしゃいました
木花咲耶です。初投稿です。よろしくお願いいたします!
私はカーシア。13歳です。カタジナというのですが生まれた時からカーシアと呼ばれています。平民ですが父譲りの金髪に桃色の瞳を持っています。父は幼い頃に亡くなり、母と二人で小さな屋敷に暮らしています。屋敷に暮らしているとはいえ使用人を雇えるほどお金を持っていないので母は仕事、私は家の仕事と勉強をしています。今だって魔法でバケツいっぱいのジャガイモの皮剥きをしているの。魔法を使えない母の代わりに大変な仕事ができる。私の誇りです。
「カーシア!帰りましたわ!」
母が帰ってきたようです。急いで魔法を中断して玄関に向かいます。すると、そこには美しく着飾った母と銀髪に紫眼の立派な身なりをしたどう見てもお貴族様と思えるがっしりした男性が立っていました。
「お母様、お帰りなさいませ。お客様、どうぞお上がりください」
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リビングにて。二対のソファーの片方に母とお貴族様が仲睦まじい様子で座っています。
「狭くてごめんなさい、アレックス」
「立派な家じゃないか、シクラメン」
私がお茶を運ぶと母はその美しい緑眼を細めて微笑み、言いました。
「カーシア、そこに座って」
「はい」
私はもう片方のソファーに座りました。お母様をじっと見て待ちます。
「カーシア」
「はい」
「この方は、貴方の新しいお父様よ」
えええええええ!
「アレクサンドル・オブ・フィッツジェラルド。フィッツジェラルド公爵だ。よろしく」
公爵ですって!?
「かかか、カーシアです。よろしくお願いいたします」
公爵様は面白そうなお顔をなさいました。
「おや、驚かないのかい?」
「何事にも驚かないように教育されております」
すると公爵様は笑を浮かべました。
「気に入ったよ、カーシア。君を公爵令嬢として迎えよう」
「ありがとうございます」
ええええええええ!私は平民として残るのかと思いましたのに。
それが、わたくしの人生の波乱の始まりでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。