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【完結済】魔法学院の異常者 ~転生であらゆる魔法の無力化と模倣が出来るチートを得たので最強ですが、学院で気楽に青春を謳歌します~  作者: アズト
第1章

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第29話 カッコイイ魔道具

 今、おれの目の前にはそのカッコよさが分からない商品がある。


 見た目は普通のリングであり、数は二つ。でも、大きさが少し違うな。色がついておらず透明だから一応きれいと言えばきれいだが、特にカッコイイデザインではない。


 ……いったいどういうことなんだ? たぐいまれなハイセンスを持つミハエルの店に置いてあるということは当然、この商品もカッコイイ物であることは間違いない。だが、おれにはそのカッコよさが分からない。


 くそっ、まさか、おれのセンスが鈍ったのか? それとも、おれではミハエルの圧倒的なセンスを理解出来ないということなのか?


 おれが認めたくないそれらの可能性に打ちひしがれる前に、おれの心情を察したらしいミハエルが声をかけてきた。


「それは見た目ではなく機能面でカッコよさを追求した魔道具だよ」


「ああ、そうなのか、良かった。おれのセンスではこの商品のカッコよさが理解出来ないのかと思ったぜ」


「そんなことあるわけないじゃないか。キミのセンスはいつだって最高だよ。アーク」


「いやいや、お前こそ最高だぞ。ミハエル」


 いや、本当にこいつは最高だよな。さっきもおれが自身のセンス不足と思い込み、心理的ダメージをくらう前に声をかけてくれたもんな。このイケメンは心情を察して気遣いも出来るイケメンだ。


「それで、この魔道具ってどういう風にカッコイイんだ?」


「ああ、これはね――」


 *****


「――と、だいだいこんな感じかな」


「なるほど。さすがはミハエルだ。これはカッコイイぞ!」


「ハハッ、ありがとう、アーク」


「……ただ、ひとつ欠点があるとすれば」


「ああ、この魔道具はその効果を発動する機会がないに越したことはないんだよね」


 そうなんだよなあ。発動する機会があればカッコイイが、これが発動するということは良くないことが起きているということになる。発動して欲しいが発動して欲しくない、まさにジレンマを抱えた魔道具ということか。


「だけど、これはけっこう売れるんじゃないか?」


「ボクもそう思っていてね。だから、新しいのを作ってはいるんだ。けど、製作にけっこう時間がかかるから、次のが出来るのは一月くらい先かな」


「技術的にもすごそうな魔道具だし、やっぱかなりの時間がかかるんだな」


 いやまあ、魔道具自体すごいから、どれもかかる時間とか作り方とかおれにはさっぱりだけどな。


「それで、どうする? 気に入ったのなら買っていくかい?」


「でも、お高いんでしょ?」


「まあ、それなりにするね。値段は……」


 残念ながら、前世で見たテレビの通販番組などとは違い、当然のごとく高かった。とても、今のおれでは手が出そうにない。まあ、今のところ使う機会もなさそうだから別にいいか。


 そのあと、おれ達はしばし雑談に興じていた。


「――それで、<神聖(ディバイン)不死鳥(フェニックス)>を見せたんだけど、なんかみんなピンとこないみたいでさあ……」


「それは残念だったね。けど、いいじゃないか。キミの望んだとおり、女性達と楽しい時間を過ごせてるんだろ」


「ああ、そうなんだよ。だから、今はすごく学院生活が楽しくてな。授業が終わったらさっさと帰りたいって昔は思ってたんだけど、今はむしろ学校に残って魔法を教えたりしていたい」


 ミハエルはおれの話を楽しそうに頷きながら聞いてくれていた。このイケメンはイケメンなだけあって聞き上手でもあるようだ。


「あ、そうだ。魔法って言えばさ。お前のあの魔法は今どんな感じなんだ?」


「うーん、たまに練習してはいるんだけど、相変わらず使い勝手が悪いままだね」


「そうなのか、残念だな。お前の魔法ってけっこうレアなやつだから、やっぱり上達するのが難しいんだろうな」


 ミハエルのあの魔法はおれの師匠が使えない魔法だしな。ミハエルには吸収魔法のことをついバラしてしまったので、その代わりというわけではないが前に模倣させてもらったことがある。


 それで、実際に使ってみたんだが、かなり精神力や集中力が必要な魔法だったからなあ。魔法術式もやたらと複雑で難しいし。


 あ、そうだ、吸収魔法と言えば、


「疑うみたいで悪いけど、おれのあの魔法については秘密にしてくれてるよな? 実は、王都に来る前に師匠に念押しされちゃったから一応確認なんだけど」


「もちろん、誰にも言ってないよ。秘密にしてくれと言われた以上、当然それは守るさ」


 これは秘密の話だが、ここだけの秘密だけど、そんな風に秘密は秘密でなくなる物だが、やはりこのイケメンにそんな心配はないようだ。


 そして、そんなイケメンミハエルが「それに」と付け加えて言葉を続けた。


「秘密にしたほうがカッコイイからね」


「分かる! 秘密ってあったほうがカッコイイよな」


『女は秘密を着飾って美しくなるのよ』という言葉があるが、男は秘密を着こなすことでカッコよくなるのではないだろうか?


 そんな感じで、おれはミハエルとしばし雑談に興じたあと、紅き(ブラッディ)闇の(ナイトメア)(パレス)をあとにした。


 いやー、今日はカッコイイ神聖不死鳥像も手に入ったし本当に良い休日だった。やはり、おれの親友のミハエルはハイセンスを持ったイケメンだ。


29話を読んで頂きありがとうございました。

最近読み始めてくれた方、最初の頃から読んでくれていた方、また、ブックマークをしてくれた方もありがとうございました。とても嬉しいです。


それで、次の投稿時間ですが、明日11/25(月)~12/1(日)は朝の7時頃にします。


以上です。これからも本作をよろしくお願いします。

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