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【完結済】魔法学院の異常者 ~転生であらゆる魔法の無力化と模倣が出来るチートを得たので最強ですが、学院で気楽に青春を謳歌します~  作者: アズト
第1章

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第25話 対戦訓練

 闘技場にて本日の実技の授業が始まった。


「では~、今日は三対三の対戦訓練を行いま~す」


 ルミル先生が相変わらずのふわふわ癒やしボイスでそう宣言した。で、授業の内容は対戦訓練か。まあ、どんな内容であっても、おれなら余裕だろう。


 しかし、実技の授業はいいなあ。だって、座学のほうと比べると、リミアやサフィアという美少女とグループを組んでの授業だから、非常に楽しい。


 さて、対戦訓練のほうはというと、ルミル先生の指示に従い、グループ毎の対戦順が決まっていった。そして、実際に対戦を行うグループ以外は一旦観客席に移動し、自分達の順番がくるまで見学しているという流れのようだ。


 なお、グループの名前が必要とのことで、おれ達はレイン班になった。理由は、一番強い人の名前がいいだろうとリミアとサフィアが言ったからであり、二人の美少女にそう言われれば、当然おれに異論はない。


「今日の授業も余裕そうね。このグループにはこのあたしがいる上にレインだっているんだし」


「そうですね。二人ともすごい強いですからね」


「ふふん、そうでしょ」


 サフィアはリミアに褒められて嬉しそうな顔をしていた。相変わらず、サフィアは自信満々だな。


 まあ、実際、このクラスには中級攻撃魔法を使える生徒はほとんどいないようだし、このクラスでのサフィアの実力は二位と言っていいだろう。なお、一位は当然おれである。


「ねえねえ、ミア。あたし達の番がくるまで暇だし、それまでおしゃべりでもしない?」


「え? でも、見学中は他の人の試合を見て学ぶようにって、ルミル先生が言ってましたよ」


「えー、でも、見る必要はないんじゃないかしら? だって、見た感じ、勉強になりそうな試合内容じゃないわよ」


「……確かにそんな気はしますね」


 二人の言う通り、試合内容は大したことがない。下級魔法なのに発動までやたらと時間がかかったり、放った魔法が相手から大きく逸れたりとかそんな感じだ。まあ、一年の最初のころの実力なんてこんなもんなのだろう。


「レインさんはどう思いますか?」


「……そうだな。サフィアの言う通り、雑談していて構わないと思うぞ」


「分かりました。レインさんがそう言うなら」


「決まりね。じゃあ、なにを話そうかしら。あっ、そうだ。昨日出かけたときなんだけど――」


 リミアとサフィアの仲睦まじいおしゃべりタイムが始まった。個人的には百合展開も大好きなので、二人にはそうやって百合百合していてほしい物である。


 だけど、この二人はおれのメインヒロインでもあるからなあ。おれそっちのけで仲良くなりすぎて、二人がまさかの恋人同士にでもなってしまったら困る。まったくもって、悩ましい問題である。


 そうしているうちに時間が経過し、おれ達の番がやってきたので闘技場の中に降りる。さて、相手はどんな奴かというと、……なんだ全員男か。いやまあ、女の子相手だと戦いにくいから、むしろこのほうがいいか。


 さて、そんなおれ達の対戦相手は、五星魔術師・四星魔術師・三星魔術師の三人組だ。そして、そいつらはルミル先生がこの場を離れている間におれを見て口を開いた。


「五星魔術師・三星魔術師・一星魔術師、なんか一人だけ雑魚が混じってるなあ」


「本当だー。あいつ、女に守ってもらうつもりかなー」


「ださいな」


 ……う、嘘だろ!? な、なんて馬鹿な奴らなんだ!?


 なんで、なんでその台詞をルミル先生がいる場で言わないんだよ! ルミル先生の前でそれを言えば、ルミル先生からお叱りという名のご褒美をいただけるんだぞ。こいつら、頭が悪すぎるんじゃないか?


 いやでも、その場合、ルミル先生からご褒美はいただけるが、ルミル先生からの人物評価が下がって嫌われてしまう恐れがある。そう考えると、その方法は諸刃の剣であり、なかなか抜きづらいか。


「……あの人達、ひどいですね」


「そうね。燃やし尽くしてあげようかしら」


 ありがたいことに、リミアとサフィアはおれのために怒ってくれていた。いやー、こんな美少女達にこう言ってもらえるとかおれは幸せ者だなあ。ただ、サフィアのほうはちょっと言っていることが物騒だけど。


 さて、そんな身も心も美しい女の子達の、そのきれいな手を汚させるわけにはいかないな。


「お前達は見ていろ」


「……え?」


「あなた一人で戦うつもりなの?」


「ああ、そうだ」


 その後、ルミル先生が戻って来て試合開始の宣言をする。


「それでは~、レイン班とズァーコ班の試合を開始しま~す。胸に付けたプレートを全て破壊されたほうの負けですよ~。では、始め~」


 おれはリミアとサフィアを後ろに残して一人で前へと歩いていく。そして、こういう状況でカッコつけることを忘れないおれは、両手をズボンのポケットに入れながら、その足を前へ進めていた。


「なんだ、こいつ? まさか俺らと一人でやる気か」


 ルミル先生はやや離れた位置にいて、ここでの会話は聞かれそうにないな。ならば、おれは少しくらいこいつらに煽り返しても許されるだろう。


「フ……。お前達はやられ専門のザコウィザード! 所詮おれの魔法の敵ではない!」


「はあ!? なに言ってんだこいつ!」


「つーか、なんで両手をポケットに突っ込んでんだよ?」


「変な奴だな」


 ……な!? まさかこいつら、このフルポケットガード法ならぬフルポケットアタック法のカッコよさが理解出来ないのか? あのナンバーワンシューターだってやっている戦い方だぞ!


「それじゃ魔法を使えないだろ。くらえ、<岩石砲(ガゼン)>!」


「<火炎弾(イグス)>!」


「<氷柱槍(リオト)>!」


 どうやら、カッコよさが理解出来ないのではなく、手を使わないと魔法を撃てないと思っているのが原因のようだ。まあ、カッコよさが理解出来ない可能性も残っているが、それは置いておこう。


 おれは実力の差を見せつけるために、あえて魔力障壁を展開せずに<疾風刃(アネス)>を三発放って相手の魔法を相殺した。


「な……!? こいつ今どうやって魔法を使ったんだ?」


「きっと、後ろにいる女が魔法を使ったんだ!」


「そうに違いない」


 やれやれ……。まだレベルのちがいに気づいていないようだ。


「もう一発だ、<岩石砲(ガゼン)>!」


「<火炎弾(イグス)>!」


「<氷柱槍(リオト)>!」


 仕方がないので、おれは両手をポケットから出し、分かりやすく魔法陣を三つ描いて数秒経過してから、<疾風刃(アネス)>を放った。


 そして、今度は先ほどの<疾風刃(アネス)>より威力を強めにしたため、相手の魔法を切り刻み、さらに三人のプレートまで真っ二つにした。


「そこまで~。レイン班の勝利で~す」


 カッコよく圧勝したおれを、ルミル先生の拍手が祝福してくれていた。


「う、嘘だろ……。俺らがあんなやつ一人に負けたってのか……?」


 そんな声を背中に聞きながら、おれはリミアとサフィアの元まで歩いていく。その途中で、後ろから魔法を放たれた気配がしたため、おれは魔力障壁を展開してその魔法を防いだ。


 後ろを振り返ると、さっきのやつが右手をこちらに向けていた。どうやら、負けた腹いせに、後ろからおれに不意打ちをしたようだ。


 その後、その様子を見ていたルミル先生がおれのほうに駆け寄ってきた。そして、普段はゆったりと喋るルミル先生が珍しく慌てながら、おれに声をかける。


「レイン君、大丈夫ですか? 怪我は?」


「大丈夫です。ちゃんと魔力障壁で防ぎましたから」


「そうですか。良かった~」


 こんなに心配してくれるとか、やはりルミル先生は良い先生だなあ。


 それと、こうしてルミル先生に心配してもらえるとか結果的にはラッキーだったな。ありがとう、えーと……、<岩石砲(ガゼン)>の人。


 そして、今度はその<岩石砲(ガゼン)>の人にルミル先生が近づいていった。


「ズァーコ君。今のはいけませんよ~」


「……いや、今のは手が滑ったというか」


「そんな見え透いた嘘をついても駄目で~す。悪い子にはお仕置きですよ~。<麻痺(パリジス)>」


「……がっ!? 手足が……痺れ……」


「そのまま、しばらく反省してくださいね~」


 おれが少し前まで毎日使っていた<睡眠(ソムヌラ)>と同じ毒魔法のひとつである<麻痺(パリジス)>か。確かにあれなら肉体にダメージはないため、ああいう問題を起こした生徒を先生が制圧するのに向いているな。


 つーか、ルミル先生おれにも使ってくれないかなあ。おれもその魔法を使えるけど、ルミル先生にやってもらえれば全然違う効果を得られる気がする。


 そんなことを思いながら、本日の対戦訓練の授業は終わりを迎えた。


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