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【完結済】魔法学院の異常者 ~転生であらゆる魔法の無力化と模倣が出来るチートを得たので最強ですが、学院で気楽に青春を謳歌します~  作者: アズト
第5章

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第164話 深夜デート

 おれが公園に戻ると、サフィアはベンチに座って待っていてくれた。そして、おれに気付くと駆け足でこちらへとやってくる。


「ねえ、どうだった!?」


「大丈夫だ。ちゃんと、リミアに許可をもらえたよ」


「そっか、良かった……」


 そう言って、サフィアはおれに抱きついてきたので、おれも彼女をギュッと抱きしめる。


「それで、どうする? もうそろそろ日付が変わる時間だし、さすがに今日は帰ったほうがいいか?」


「これで帰るなんてできるわけないでしょ」


「でも、明日は平日だしそろそろ寝たほうがいいんじゃないか?」


「バカね……。こんなことがあったのに寝れるわけないじゃない」


 確かに、こんなことがあっては寝れる気がしない。未だにおれの腕の中にいるサフィアの熱を感じながら、おれは彼女の言葉に同意した。


「じゃあ、どうする? デートっていきたいところだけど、この時間じゃやってる店なんてほとんどないし、この公園で話でもするか?」


「そうね……。…………それなら、行きたいことろがあるから連れて行ってくれない?」


「いいけど、連れて行くってどういう意味だ? 一緒に行くんだろ?」


「鈍いわね……。…………抱っこして連れて行って欲しいって言ってるのよ」


「そういうことかよ……」


 そんな女性特有の察してみたいなことを言われても、今のおれには難しい。だが、こうして口にしてくれたのなら、そのお願いは叶えてあげよう。おれはサフィアをお姫様抱っこし、<飛行(スレア)>を発動して宙に浮いた。


「それで、どこに連れて行って欲しいんだ?」


「とりあえず、向こうのほうへ飛んで」


「分かった」


 おれはサフィアが指さしたほうへと飛んでいく。冬になったことで空気が澄んでおり、夜風は冷たくも気持ちいい。これは、飛行デートと言えるかもしれないな。そんな中、サフィアがなにかを思い出したように口を開く。


「こうして王都の空を飛んでいると、初めてあなたと空を飛んだことを思い出すわね」


「……あー、あのときは悪かったな。怖い思いさせて」


「別に、もういいわ。あのときは死ぬかと思ったけど、今となっては良い思い出よ」


「そりゃ良かった」


 雑談を交わしながら、おれ達はサフィアの行きたいところに到着した。ここは王都を囲む城壁の一角にある見張り台の屋根の上だ。見張り台と言っても、王都の周囲には結界魔法が貼られていることもあって今は無人だけど。


「どうして、こんな場所にしたんだ?」


「だって、ここは王都で一番高い場所だもの。だからほら、とっても星がきれいでしょ」


 空を見上げると、冬の星々がまばゆい輝きを放っていた。


「そうだな。とてもきれいだ……」


「そうでしょ。………………ところで、レイン、寒いからこっちに来て温めてくれない?」


「温めるか……。なにか、炎魔法でも発動すればいいか?」


「鈍い……」


 サフィアは不満げな顔でこちらを見た後、自分の後ろに来いとでも言うように地面を指さした。またしても察してムーブだが、もしかしてこういうことだろうか? おれはサフィアの後ろに回り、彼女を背中から抱きしめた。


「……これで、いいでしょうか?」


「うん、正解。とっても、温かいわ……」


 サフィアの言う通り、こうしているととても温かい。サフィアの身体の温かさと柔らかさ、そして恋人という関係性がおれの身体と心を温めてくれている。


 ……ただ、それはそれとして、なにやら今日のサフィアは察してちゃんであり甘えんガールだな。初めての恋人関係と深夜のテンションの影響だろうか? まあ、そんなちょっと面倒なところも可愛いからいいんだけど。


「それで、この後はどうする? 他にして欲しいことはあるか?」


「して欲しいことか……。別に、このままでもあたしはすごく幸せだけど。今日、こうやってあなたと星を見れて本当に嬉しいわ……」


「今日? ああ、そういえば、そうだったな」


 もう日付が変わって十一月二日になってるのか。それなら、彼女をもっと幸せにしてあげよう。おれはサフィアの正面に回って、ポケットからある物を取り出す。


「サフィア、誕生日おめでとう。これはプレゼントだ」


「………………え? 嘘……、知ってたの? しかも、プレゼントまで……」


 驚きの表情に染まったサフィアの顔は、次第に喜びの表情へと変化していった。おれが渡したプレゼントを胸に抱いたサフィアは、嬉しそうに話し始める。


「ねえ、開けていいわよね?」


「もちろんだ。好きにしてくれ」


「……きれいなブレスレットね。ステキ……」


「気に入ってくれたか?」


「うん、とっても……。ねえ、レイン、お願いなんだけど――」


「分かった。付ければいいんだな」


 察するのが苦手なおれではあるが、さすがにこの状況ではそれが正解だろう。おれはサフィアからブレスレットを受け取ると、それを彼女の左腕に付ける。赤い宝石が付いたそのブレスレットは、星の輝きを受けてサフィアのきれいさをより引き立てていた。


 しばらく、そのブレスレットを満足げに眺めていたサフィアが赤く染まった顔をおれに向ける。もはやおれ達に言葉は必要なく、合計で四回目だが恋人としては初めてのキスをした。


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