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【完結済】魔法学院の異常者 ~転生であらゆる魔法の無力化と模倣が出来るチートを得たので最強ですが、学院で気楽に青春を謳歌します~  作者: アズト
第5章

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第158話 食べ歩きデート

 ミハエルに悩みを相談してから月日が経ち、今日は九月の最終日だ。


 明日は土曜日で魔法学院は休みだからその前にリミアと話がしたい、と思っているとそのリミアから話しかけられた。


「……あの、レインさん、少しいいですか?」


「もちろんいいぞ。どうした?」


「その……ですね……」


 リミアは両手をもじもじさせ、さらに目が右へ左へと迷うように動いている。どうやら、なにか話づらいことがあるようだが、そのまま待っているとリミアは意を決したように話し始めた。


「……あの、レインさんは明日って予定とかありますか?」


「いや、特にないから空いてるぞ」


「それなら、その……、……明日わたしと………………で、で、デートしてください!」


「…………………………え?」


 *****


「今日は付き合ってくれてありがとうございます」


「いやいや、全然」


 翌日、待ち合わせ場所にてリミアにお礼を言われた。だが、今日はおれもリミアとデートがしたかったし、それが無理でもせめて会いたかったので、むしろ感謝するのはこちらのほうである。


 ただ、おでかけと言えばいいところをデートと言ったリミアの真意が分からない。まあ、他人の考えなんて予想はできても断定はできないので、ずっと考えていても仕方ない。今は、それよりもすべきことをしよう。


「今日の服も似合っていてすごい可愛いぞ」


「あ、ありがとうございます……」


 そう言って、リミアは嬉しそうに頬を赤くした。そろそろおれに褒められ慣れてもいいだろうに、未だにこうやって照れる姿は可愛らしい。可愛らしいと言えば、今しがたおれが褒めたリミアの服も可愛らしい。


 どこが可愛いかって言うと、その清楚さを感じさせる白い花柄のワンピースが可愛い。しかも、可愛いだけでなく、緩めの胸元からは胸の谷間が見え、さらにスカート丈が短めなこともあり色気も感じさせる。


 つまり、リミアの長所である清楚さと色気を兼ね備えた服と言えるだろう。そして、その両方はおれの男心を的確にくすぐっており、おれのためにそんな服装を選んでくれたのかとつい考えてしまう。特に色気に関しては、もうおれの好みはバレバレだろうしな。


「それで、今日は行きたい場所とか決まってるのか?」


「あ、それはですね……」


 リミアがおれの質問に答える前に、グーというお腹の音がなった。その音を出した主を見ると、恥ずかしそうにお腹を手を当てて頬を赤くしている。


「す、すいません」


「いや、全然いいけど。もしかして、お腹が空いてるのか?」


「実はそうなんです。今朝あれこれと悩んでいたらご飯を食べる時間がなくなってしまって……」


そう聞くと、なにを悩んでいたか気になるところだが、それを聞くのはマナー違反な気がするな。


「そうなのか。じゃあ、まずはなにか食べるってことにするか?」


「いいんですか?」


「リミアさえ良ければ、おれはもちろんいいよ。確か、この先に最近流行りの食べ歩きスポットがあるからそこでいいか?」


「はい、ありがとうございます」


 リミアから了承をもらえたので、おれ達は先ほど話した食べ歩きスポットへと移動する。流行りということもあり大通りの両サイドに様々な出店が並び、たくさんの人でごった返していた。


「さて、なにが食べたい?」


「そうですね……。まずは、あれが食べたいです」


 そう言って、リミアが指さしたのは近くにあった牛串焼きのお店だ。焼かれた肉の香ばしい匂いが漂ってきていやおうにも食欲をそそられる。その欲求とリミアの言葉に従いおれ達は二人分の牛串焼きを購入し、それを口に運ぶ。


「美味いな!」


「はい、美味しいです!」


 大きいのに柔らかくて食べやすい牛肉と、そこにかけられた甘めのソースがマッチしており非常に美味い。その美味さゆえか、リミアは目を輝かせながら牛串焼きを頬張っていた。


「いや、本当に美味かったな。次はどうする?」


「次はですね――」


 しばしの間、おれ達は二人きりで食べ歩きの時間を過ごす。これは、いわゆる食べ歩きデートなのでは? あれでも、リミアがデートって言って誘ってくれたから、以前と違い今回は本当にデートってことでいいんだよな。


「そろそろお腹が一杯になってきましたし、最後にデザートが食べたいです」


「じゃあ、あれとかいいんじゃないか?」


「いいですね。あれにしましょう」


 おれ達は近くにあったソフトクリーム屋に移動し、店の前に貼られているメニュー表を確認する。


「リミアはどれにするんだ?」


「そうですね……。期間限定のみかんソフトが気になるんですけど、定番のバニラ味も捨てがたいです……」


「それなら、いっそ二つとも食べればいいんじゃないか?」


「でも、今日は食べすぎちゃいましたし、さすがにそれは……」


 そう言いながら、リミアはお腹に手を当てた。どうやら女の子らしく、太ることを気にしているようだ。出会ったときから変わらずスタイルがいいから気にしなくていいと思うが、女の子としてはそうはいかないんだろう。


「じゃあ、その二つを買って、おれとシェアするってのはどうだ?」


「いいんですか、ありがとうございます」


 というわけで、おれ達はバニラソフトとみかんソフトを購入し、まずおれはバニラソフトを口にする。これも美味い! クリームの滑らかで口当たりの良い食感と、デザート特有の甘さが口の中に広がり幸せをもたらしていく。


 その美味さゆえ、つい全部食べてしまいたくなるがそうはいかない。おれはバニラソフトを半分ほど食べたところで、リミアに声をかける。


「これ、残りはリミアの分な。はい」


「ありがとうございます。じゃあ、こっちはレインさんの……」


 リミアはおれに手渡そうとしたみかんソフトを持つ手をピタリと止めた。


「どうした?」


「あ、その、これってよく考えたら……」


「…………あ」


 恥ずかしそうに口に手を当てているリミアの姿で、リミアがなにを言いたいのかが理解できた。これは、いわゆるindirect kiss、日本語でいうところの間接接吻ではなかろうか?


 リミアのような美少女相手なら、男であるおれとしては間接どころか直接だって大歓迎なのだが、女の子であるリミアからすればそうはいかないか。


「悪い。おれが口付けちゃったやつとか嫌だよな」


「い、いえ、レインさんさえ良ければ、わたしは全然大丈夫です」


「え、そうなの? それなら、おれは全然いいけど」


「で、では、いただきます」


 リミアはやや震えた手でおれのバニラソフトを受け取ると、頬を赤く染めながらおそるおそるそれを口にしていた。見ている限りでは、照れくささこそあるようだが嫌がってはいないようだ。むしろ、心なしか嬉しそうに見える気がする。


 なんにしても良かったと思いながら、おれもバニラソフトと交換で受け取ったみかんソフトに目を向ける。リミアが口を付けたという事実にドキドキするのだが、リミアも大丈夫って言ってたし、ここはありがたく食べさせてもらおう。


 うん、美味い。……美味いと思うのだが、リミアとの間接キスという事実に意識がいってしまい、本当に美味いと感じてるのかがよく分からなかった。


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