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【完結済】魔法学院の異常者 ~転生であらゆる魔法の無力化と模倣が出来るチートを得たので最強ですが、学院で気楽に青春を謳歌します~  作者: アズト
第4章

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第147話 おかえり

 魔の森を順調に進み、おれ達は師匠の家へ到着した。いや、正確に言えば師匠の家のすぐ近くまで来たのだが、そこまで来たところでアイシス先輩の足取りが重くなった気がする。


「アイシス先輩、どうかしましたか?」


「……いや、かの有名な薔薇の魔女殿に会うとなると、緊張してしまってな」


「ああ、そういうことですか。でも、実際はそんなに構えるような相手じゃないですよ」


「師弟関係で長年過ごした君からすればそうかもしれないが、私からすればかつて王国最強の魔術師として名を馳せ、戦争時には多大な活躍をした偉大な御方だからな」


 ……まあ、人によって相手の立場が違って見えるのは当然のことか。その点でいくと、師匠に関する予備知識がないリミアとサフィアは特に緊張している様子もない。


 もし、師匠が貴族出身ならその強さを語り継がれていて魔法学院の授業でもその名が出てきたかもしれないが、平民出身ゆえかそんなことはなかったからな。ゆえに、祖母が師匠と知り合いで話を聞いているアイシス先輩だけがこうして緊張しているわけか。


「じゃあ、どうします? アイシス先輩が落ち着くまでここで休憩しましょうか?」


「……いや、さすがにそれは皆に申し訳ないな。私はしばらくここで心の準備をしておくから、三人とも先に家に入っててくれ。私としても、そのほうが気を遣わなくて助かる」


「……そういうことなら、分かりました」


 アイシス先輩の言葉に従い、おれはリミアとサフィアを連れて師匠の家の前まで歩く。そして、ドアを開けるとすぐに<剛塊岩石砲(ガゼシオン)>が飛んできたので、魔力障壁を展開してそれを防いだ。


「帰ってくるなりなにをするんですか、師匠?」


「ほう……。どうやら、腕はなまってないようだね」


「そりゃ、ちゃんとトレーニングはしてますし、なにより師匠に急に魔法をぶっ放されるのには慣れてますからね」


「おや、そうだったかねえ?」


 おれの言葉に師匠は首をかしげた。この人が言うと、とぼけているのか本当に忘れているのか判断に困るな。……まあ、それはいいか。今は、それよりも言うことがある。


「師匠、ただいま」


「ああ、おかえり」


 師匠はニカッと笑いながらそう言った。やはり、こうやって久しぶりに顔を合わせると心にくるものがあるな。おれにとって、師匠は家族同然だから久しぶりに会えて嬉しくないわけがないか。


 そうやって、おれとおそらく師匠も感傷に浸っていると、後ろから話し声が聞こえてきた。


「この人がレインさんの師匠……」


「話には聞いてたけど、実際に見ると凄い美人ね……」


「はい、とてもきれいです……」


「しかも、すっごくおっきい……」


 ……うん、まあそうだね。師匠の見た目はすごいよね。<変身(メルフォス)>で変身してるから、実際の中身は違うんだけどね。と言っても、おれもその中身を見たことはないんだけど。


 そして、そんな感想を言っている二人のことを師匠も気になったようだ。


「それで、その後ろにいる二人は誰なんだい?」


「ああ、この二人は魔法学院でできたおれの友達ですよ」


「友達!?」


 おれの言葉に、なぜか師匠は大声を出して目を丸くしていた。


「え、なんですか、その反応?」


「だって、そりゃ驚くだろう。なんたって、アンタが魔法学院に入ろうとした理由は美少――」


「ちょ、ストーーーップ!!」


 おれは慌てて師匠に近づき、その口を右手で塞いだ。そして、リミアとサフィアに聞こえないように、小さな声で師匠に話しかける。


「ちょっとやめてくださいよ、師匠。『美少女とイチャイチャしたいのが目的で魔法学院に入学した』なんて聞かれたら、おれが二人に誤解されるでしょうが」


「誤解もなにも、アンタは純度百パーセントの女好きじゃないか」


「だから、そういうことを言うのはやめてください。で、さっきはなんで驚いたんですか?」


「いやあ、アンタみたいな子が本当に可愛い子と仲良くなれるなんて夢にも思ってみなかったからねえ。長いこと生きてきたけど、こんな奇跡は初めてみたよ」


「さすがに、その言い方はおれに失礼すぎませんかね」


 そんなおれの不満に聞く耳を持たず、師匠は腕を組んで一人納得したように頷いていた。その後、師匠はリミアとサフィアのほうを向いて口を開く。


「さてと、それならその友達に挨拶をしないとねえ。アタシはディーバ・バーンズアーク、こいつの師匠だよ」


「初めまして。わたしはリミア・アトレーヌと言います」


「あたしはサフィア・ラステリースです。よろしくお願いします」


 名乗った後、リミアとサフィアは丁寧に頭を下げ、それを見た師匠は満足げに頷いていた。


「それで、アンタの友達とやらはもう一人いるんだろ? 魔力感知で外にもう一人いるのは分かってるからねえ」


「ああ、その人は師匠と会うのに緊張していて、心の準備がしたいとのことです」


「なんだい、ずいぶんと奥ゆかしい子がいたもんだねえ。それなら、こっちから会いにいってあげようか」


 言うが早いか、師匠は外に出ていってしまった。アイシス先輩はまだ緊張してるだろうし、おれがフォローに行ったほうがいいだろうな。


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