となり街のあの子 ( 6 , 夏休み明け~)
長い長い夏休みが終わり2学期が始まった。
長い長い夏休みが終わり2学期が始まった。
そしてその週の土曜日、僕はいつもの公園で愛良を待っていた。
夏休みの間は会えなかったと言っても、僕は彼女と定期的にメールでやり取りをしていたのでそこまで遠い存在ではなかった。
11時頃、愛良はこの公園に来てくれた。一か月ぶりの再開だ。
彼女は僕にお土産をくれた。北海道の有名物らしい。僕は一緒にそのお土産を一緒に食べながらお互いの夏休みを振り返った。
愛良はさまざまな場所や楽しいイベントを家族や友達と行ったらしい。
僕よりも濃い夏休みを送っていたようでなんだか嬉しかった。
こうやって公園で二人で話すのも1ヶ月ぶりなのに少し懐かしい気持ちになりながら彼女と接していた中、愛良が困った表情で僕に相談してきた。
「ねえ。少し相談があるんだけどいい?」
僕はうなずきながら彼女の相談を受けた。それは彼女の人間関係のことだった。
「実はね、私ね、同じクラスの男子に夏祭りに誘われて2週間前に一緒に行ったんだ。その男子どうやら私のことが好きだったみたいで帰りかけに告白してきたの。仲は良かったけどそこまで好意は私は彼に対してなかったから断ったんだけど、今まで通り良い友達の関係でいけるかな?」
僕は少し驚いた。そしてショックだった。愛良がもしほかの男子と付き合ったら今の関係も、公園で会うこともできなくなると思ったからだ。そう考えてからは彼女が言ってきたことがほとんど耳に入らなかった。なので僕は適当に答えた、
「うん。大丈夫だよ。その子がいい人なら今まで通りに接してきてくれるよ。」
そう言うと彼女は安心した表情した。
それから少し時間がたった頃、愛良が帰る時間になった。
帰り際、愛良が言ってきた。
「受験勉強も頑張らないといけないね。受験生だし。」
僕は「そうだね。がんばろ。」と言った。
すると愛良は少し顔を赤くしながら言ってきた。
「私決めたんだ。君は中山高校に進学するんでしょ。私もそこに行くことに決めた。もっと君と会いたい。毎日会って楽しい学生生活を君と送りたい。だから私頑張るね。」
僕はすごく驚いたのと同時に嬉しかった。
愛良が僕が進学する高校を目指してくれるなんて思ってもいなかったからだ。
僕は「それはうれしいよ。頑張ってね。一緒に同じ高校に行こう。」と言った。
彼女は笑顔を浮かべながら「またね」と言って帰っていった。
僕はこの時に決めた。来年の冬、同じ高校に受かったら愛良に告白すると。
今までのようなとなり街の友達の関係性ではなく、
同じ高校に通う”大切な人”になるために。