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となり街のあの子 (3, 好きなこと)

愛良と初めて会った日から1か月ほどたった土曜日。いつものように彼女は公園にいた。


普段は携帯を触りながら僕のことを待っていたのに今回はそうではなかった。どうやら彼女は何かを探しているようだった。僕は何を探しているのか聞いてみた、

「やあ、元気?さっきからなにを探しているの?」

すると愛良は答える、

「あっ、来たね!私四葉のクローバーを探してるんだ!これを集めるのが趣味なんだよ。」

どうやら彼女は四つ葉のクローバー集めが小さいときからの趣味らしく、それが今になっても続いているようだった。愛良は四つ葉のクローバーの花言葉の意味を教えてくれた。

一つ目は幸運、そして二つ目が約束、そして三つ目が私のものになって、と言う意味らしい。

愛良は四葉のクローバーを見つけ続けることで、彼女の未来を支えてくれる約束をする人と幸運にも結ばれる、と信じてきたらしい。


そんなことを教えてくれた後に彼女は僕にこう言った、

「でもその人と私はもう知り合っているかもしれない。」

正直言って僕にはこの意味が理解できなかった。なぜなら僕はまだ愛良のことなんて何も知らない状態だっので彼女がほかにどんな人と会っているのかも知る由もない。

僕は彼女が放った言葉を軽く受け流しながら彼女の手伝いを始めた。数十分探し続けて分かったのだが、四つ葉のクローバーを見つけるのはとても難しすぎるということだ。どれだけ探しても見つからない。こんなものを見つけ出すことができたら「運命」と考えるようになった。そしてそれは、今まで僕が知り合った人、話したことがある人はすべて運命の導きなのかもしれない、とすこしオカルトチックになりながら探していた。


結局その日は2人とも四葉のクローバーを見つけることはできなくて帰る時間になったときに愛良が言ってきた、

「見つからなかったね。これも運命なんだよ、見つけられなかったこと、今こうして君と会っていること。すべては運命のいたずらであり導きなんだ。」

そのあとにこう言った、

「いつか思い出してほしいな、この運命というものを。

君は知っているはずだよ。」

僕はどう返事すればよいのか迷ったが悩んだ末にこう言った、

「今はまだわからないけど、頑張ってみるよ。運命というものを見つけるために。それまでは愛良も助けてくれると嬉しいな。」

愛良は聞いた後微笑みながら

「絶対約束だよ!またね!」

と言って帰っていった。


この出来事があってから、運命というものを追求するたびに愛良との距離がだんだんと近くなっていく感覚が芽生えた。


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