番外編 とある宿屋の幼女のお話
2022.1.16 第1章内整理の為再掲です。
「おねーちゃーん! あさだよー!」
ニコはとびらとトントンとたたいた。
なかから「おはよー」っておねえちゃんのこえがきこえて、うれしくなる。
「きょうのあさごはんはロールキャベツだよー!」
「わかったー。すぐ支度して下にいくねー」
「うん!」
おへやにとまっているのは、フィリアおねえちゃん。しんじんのぼうけんしゃさん。
このあいだからやどにとまっている、とてもやさしいおねえちゃんです。
やどにおきゃくさんがとまってくれるのは、すごくひさしぶりです。
いままでずっととまっていたおにいちゃんたちは、ちょっととおいまちでしごとがあるからってでていっちゃいました。おにいちゃんたち、はやくかえってこないかなぁ……。
おにいちゃんたちがいなくなってからきたおきゃくさんは、フィリアおねえちゃんとさんにんいっしょにきたぼうけんしゃのおにいちゃんたちだけ。
ぼうけんしゃのおにいちゃんたちは、なんでおふろがないんだってすっごくおこっていてこわかった。おおきいこえをだしておこっていたおにいちゃんたちは、おとうさんがやっつけてくれました。
それからしばらくして、フィリアおねえちゃんがやどにやってきました。
ひさしぶりのおきゃくさんがきてくれたことがうれしくて、フィリアおねえちゃんのてをひっぱっちゃった。そしたらおにいちゃんにおこられちゃって、おねえちゃんにあやまるようにいわれて、おねえちゃんをみたら、おねえちゃんはやさしくわらってニコのことをゆるしてくれました。
それからフィリアおねえちゃんがやどにとまってくれて、おねえちゃんがすごいおいしゃさんだってことがわかったの!
おかあさんはずっとかぜでねこんでたのに、フィリアおねえちゃんからもらったおくすりをのんだらすぐにげんきになったの。
またおかあさんといっしょにごはんをたべたり、えほんをよんでもらえるようになったのは、ぜんぶフィリアおねえちゃんのおかげ!
フィリアおねえちゃんは、おくすりはシュミでつくっただけだっていってたけど、おいしゃさんのおくすりでもすぐになおらなかったおかあさんのかぜをなおしちゃったんだから、フィリアおねえちゃんはすごいおいしゃさんのぼうけんしゃだってニコはおもうの。
やさしいえがおの、とってもやさしいおねえちゃん。
ニコといっしょにごはんをたべてくれて、いっしょにあそんでくれて。
ニコはフィリアおねえちゃんのことがだいすきです!
フィリアおねえちゃんが、ニコのほんとうのおねえちゃんだったらいいのにな。
「おはようございまーす!」
あ! フィリアおねえちゃんだ!
「おはよう、ニコちゃん。今日も起こしてくれてありがとうね」
えへへ。
フィリアおねえちゃんになでられるの、ニコとってもだいすき。フィリアおねえちゃんのてはとってもあったかくて、やさしいの。
「おねえちゃん! きょうもいっしょにごはんたべてもいい?」
「うん! もちろん!」
「やったー!」
「ニコ、お前なぁ……。フィリアさんはお客さんなんだぞ? フィリアさんも! あまりニコを甘やかさないでください」
「ご、ごめんなさい……」
おにいちゃんにおこられちゃった。
でも、おねえちゃんといっしょにたべたいんだもん。
「別にいいじゃねーか。ほかに客もいねーし」
「お父さんまで……」
「おにいちゃんはおねえちゃんといっしょにたべたくないの?」
「……べ、別にそうは言ってないだろ……」
「よーし! アルドもこう言ってるし、今日もみんなで一緒に食うぞー!」
「おー!」
おとうさんをマネしててをにぎっててんじょうにむかってのばす。
「ごめんなさいね、いつもいつも……」
「いいえ! みんなで食べるごはんはとってもおいしいですから!」
「ニコ! おねえちゃんといっしょにたべるごはんだいすきー!」
ギューッとフィリアおねえちゃんにだきつけば、フィリアおねえちゃんもおなじくらいにニコのことをだきしめてくれた。
「私も大好きだよー!」
あったかくて、とってもあんしんする。
フィリアおねえちゃんがきてから、おとうさんもおかあさんもおにいちゃんも、みんながあかるくなった。
こんなにみんながワイワイしてるのはひさしぶり。
ぜんぶぜんぶ、フィリアおねえちゃんのおかげ!
でも、フィリアおねえちゃんはぼうけんしゃだから、きっといつかおにいちゃんたちみたいにいなくなっちゃうのかな……?
いやだな……。ずっとここにいてほしいな……。
はなればなれになるのは、さびしいの。
「ニコちゃん! 朝ごはん食べよっか!」
「――うん!」
よるになったら、おほしさまにおねがいしよう。
「だいすきなおねえちゃんと、ずっとずーっと、いっしょにいられますように」って!
ニコ視点のお話です。
ひらがなが多くて読みづらいかもしれませんが、ご一読いただけますと幸いです。
今後も各キャラ視点のお話を書けたら良いなと思っています。
「モブに転生しました。」をこれからもよろしくお願い致します。




