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第15話 キブシ村からの討伐依頼


 レドルフからの指名依頼をこなした次の日、私は元々やろうと思っていた討伐依頼を受ける為、冒険者ギルドに来ていた。

 昨日のジークやリオンの話からスライムの討伐依頼は絶対に受けないと決めているので、出来たらスモールラットの討伐依頼が望ましい。ホーンラビットでも問題ないけど。


「あ、あった」


 掲示板を探していると、ホーンラビットの討伐依頼の依頼書が貼られていた。私は掲示板からそれを剥がして手に持つ。

 依頼の内容は、ホーンラビット6体の討伐。村に出没するホーンラビットを退治してほしいというものだ。依頼主はカガチ・ファルセン。場所は“キブシ村”と書かれているが、どこにある村かわからないから、あとで地図を確認しよう。


 私は依頼を受付処理をしてもらう為に、依頼受付のカウンターに向かった。

 見知った顔を見つけて、私は彼女に声をかける。


「依頼の受付をお願いします」

「はい。あら? フィリアさん」

「こんにちは、ヴィーラさん」


 ヴィーラさんに依頼書と冒険者カードを差し出し、依頼の受理手続きをしてもらう。


「そういえば、昨日指名依頼を受けられたそうですね。ラナから聞きました」

「はい! まごころ診療所のレドルフさんからの素材採取の依頼を受けました」

「フィリアさんの納品される素材はどれも高品質ですからね。実は他にもフィリアさんご指名の採取依頼が来ているんですよ」

「え!? そうなんですか!?」


 それは朗報だ!

 安定的な収入を得られるチャンス! 明日はその指名依頼をやろうかな。


「はい。キブシ村からのホーンラビットの討伐依頼を受付しました。カードをお返しします」

「ありがとうございます」

「気をつけていってらっしゃいませ」

「はい! いってきます!」




◇   ◆   ◇




 地図を頼りにキブシ村に辿り着いた私は、依頼を受けた事を伝える為にこの村の住人に教えてもらい、依頼主であるカガチ・ファルセンの家を訪ねた。


「初めまして、フィリアと言います。ホーンラビットの討伐依頼を受けて来ました。よろしくお願いします」

「この村の村長をしております、カガチ・ファルセンと申します」


 挨拶をしてくれた村長のカガチさんだったが、次に顔を上げたカガチさんの表情は、どこか期待外れとでも言いたげなものだった。


「……あなたのような若い方が来るとは思いませんでした」


 えーっと、それはどういう意味でしょうか?

 先ほどの表情といい、この発言といい……これはもしかして、もしかしなくともナメられているのかな?

 ちょっとカチンと来たぞ、村長さんよ。


 ……まあ、いいや。

 この討伐依頼を終わらせて、ささっとサルビアに帰ろう。


 私は村長の家を出て、ホーンラビットが出没するという村の近くにある森に行くために、村の出入り口に向かった。

 その時、この村の住人が数人固まって、私の方を見ながら何やらひそひそと話している事に気づいた。なんだか人を値踏みしているような嫌な視線だ。

 先ほどの村長といい、今の村人たちといい、一体何なんだ?

 なんだかこの村は居心地が悪く感じる。


 初めての討伐依頼だから気合を入れて来たというのに、何だかそれが削がれてしまった気分だ。

 とにかくこの討伐依頼を終わらせて、サルビアに帰ってグレイグさんの作る美味しい夕飯に有り付こう。

 私はホーンラビットが出没するという村の近くにある森に向かった。





 森には薬草などの素材が少ないながらも生息していたので、それを採取しながらホーンラビットを探す。


「あ、いた」


 茂みの向こうに1体のホーンラビットの姿を見つけた。

 サッと身を隠し気配を殺す。まだこちらに気づいていない様子だ。

 私はホーンラビットに手の平を向けて、意識を集中させる。


「スリープ!!」


 黒い薄い霧のようなものがホーンラビットに向かっていく。

 これは闇属性魔法で、対象1体を眠らせる魔法だ。ただし、命中率はあまり高くない。

 ホーンラビットの身体が霧のようなものに包まれていく。このまま眠ってくれれば、退治も楽なのだが……。そう思って見守っていると、ホーンラビットがそこから飛び出してきた。

 術は失敗してしまった。


 幸いホーンラビットはまだ私に気づいていない。

 私は次に、風属性魔法の“エアーシュート”を発動した。これは相手に向けて空気の塊を飛ばしてぶつける技だ。

 私が放った魔法は、見事ホーンラビットに命中した。小さな体が宙を舞い、受け身も取れずにホーンラビットは地面に落ちた。

 倒せただろうかと確認する為に一歩足を踏み出した時、倒れていたホーンラビットが勢いよく起き上がった。


 一発で仕留められなかったか!


 先ほど魔法を放ったから、ホーンラビットには私の存在がバレている。その証拠にホーンラビットは私を見て臨戦態勢を取っていた。

 私は腰に差していた剣を抜いて構える。


「キシャー!!」


 ホーンラビットが襲い掛かってきて、私はそれを横にかわして剣を振るった。

 それは見事ホーンラビットの身体を切り裂いた。

 私は剣に付いたホーンラビットの血を、剣を振って落とす。

 ゲームではそんなことはなかったが、実際に戦ってみるとこうして血しぶきが舞ったりするのがまだ慣れない。

 ホーンラビットの身体が光の粒子となって消えると、その場にはホーンラビットの角だけが残された。私はそれを拾ってマジックバックに仕舞う。ホーンラビットの角は加工すれば装備品……アクセサリーに出来る素材だ。これは町に帰ったらギルドで換金しよう。


 無事に1体、ホーンラビットを倒すことが出来た事に胸を撫で下ろす。

 依頼されている討伐数は6体だから、残りは5体。



 私は残りのホーンラビットを討伐する為に、森の中を進んだ。




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