1.中学校生活の始まり
みなさん、初めまして!
今回、初めて小説を書くことにしました。まだ『文章を書く』という行為に慣れておらず、私自身がまだ中学生で経験不足ということもあり、変なところもたくさんあるとは思いますが、温かい目で見ていただけるとうれしいです!(笑)
ガチャン。
ああ、また壊れた。僕の何かが。いや、壊れたのではない。人の手によって壊されたのだ。それが何かはわからない。でも、だんだんどうでもよくなってきた。自分がどうなったって、世界がべつに変わるわけではない。広いこの世界で、僕はいないに等しいんだから。
「今日午後5時32分、──中学校の岡本蒼さんが、道路で意識不明の状態で発見され、病院に運ばれるも、死亡が確認されました。警察の調べによりますと、岡本さんは学校でいじめにあっていたとのことです。警察は、マンションから飛び降りて自殺したとみて捜査を進めています」
「かわいそうねぇ」
とても深刻そうな顔で、母さんが呟いた。たしかに自殺にまで追い込まれるのはかわいそうだが、それまでに自分でなんとかできなかったのか。誰かに相談するとかしたら、なんとかなったかもしれないのに。いじめる側ももちろん悪いけど、いじめられる側も、問題があるんじゃないかな。
まだ小学生だった僕は、そう思っていた。
なぜ、人は誰かを傷つけるのか。
きっと、傷をつける人は、何も考えていないのだろう。誰かを傷つけても、その誰かが傷つくだけであって、自分が傷つくわけではない。
しかし、人は傷ついて成長する。いつまでも殻に閉じ籠っていては大きくなれない。外から傷つけられ、それによって殻が割れて、やっと外の世界が見えるようになる。でも、傷が強すぎたら、殻の中まで抉れてしまう。もしそうなったら、もう二度と元に戻ることはない。卵の黄身が溢れるように。
朝に目が覚め、学校に行き、放課後はしっかり遊んで、夜にぐっすり寝る。ごく普通の日常、その繰り返し。あのときは、退屈だなぁとか思ってた。いま思えば、あの日々が至福の時間だったのだ。
まさかこんなことになるとは思ってなかったから……。
* * *
中学校に入学して、僕は新たな生活が始まることにわくわくしていた。反面、友達をうまくつくれるか、不安もあった。
新しい靴箱を通り抜け、クラス表を見て教室に入ると、今度は座席表を見る。最高の場所(いちばん後ろの席)だったことを嬉しく思いながら、自分の席に着いた。僕よりも20人ぐらい早く来ていたが、教室はシーンと静まり返っていた。この中学校は、受験で合格した人だけが来ることができる私立の学校だ。小学生のころの友達は、みんなそのまま公立の中学校に進んだ。今ここにいる人たちも、きっと僕と同じような状況だから、話す相手もいないのだろう。
「みなさん、初めまして~。お、めっちゃ静か! もうちょっとリラックスしてもいいよ?」
教室に、元気な女性の先生が入ってきた。おそらくこの人が担任の先生になるのだろう。結構美人だ。
今日は、教材の配布だけで終わった。午前中のみだったので、新しく友達をつくることもできなかった。
明日もあるしいいやと思いながら駐輪場へ歩いていると、急に声を掛けられた。
「ねぇ、朝陽くん。私のこと、覚えてる?」
振り返ると、そこにはどこか見覚えのある顔があった。
「そのぉ、幼稚園が同じだったんだけど……」
「えっとー、あ、美月?」
「そう! 久しぶりだね。よかったー、覚えていてくれたんだ。これから、よろしくね!」
こうして、僕と美月の物語は再び動き出した。
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