不穏な手紙
投稿遅れてすみません、
「……ん?」
風呂から上がった俺は、あるものを見つけた。
着替えの上に、手紙が置いてあった。
「なんだ、これ……?」
直接話せば良いのだから、オリガミちゃんが置いて行ったわけでもなさそうだ。
となれば考えられるのは神界からの手紙だが……いや、もう中を開けて確認した方が良いか。
服を着てから封筒を開け、中から便箋を取り出す。
『久しぶりだね誠! 私は恋の神、君のオムツを変えたこともある恋ノ坂美咲だよ! 本来なら直接会って話したいんだけど、ちょっと今私の立場がやばくてさ、君と千代紙ちゃんに迷惑かけないためにも文字で伝えるね。
短刀直入に言う。今回の好感度を上げる指令は、実は正式なものじゃない。正確に言えば、正式ではないと駄々をこねることができる。少なくとも、私はそう思ってる。
君のお父さんたちの後を継いで、恋の神である私がその地方の恋愛を統括していることは知っているよね? なのに私に処罰の話が来てないんだよ。
それどころじゃないの、日本担当の恋愛の神様たちにも聞いたけどみんな同じ。君のお父さんたちはまぁ……『あの子にも恋愛して欲しい!』とか楽観的なことを言ってるけど、私は流石にそうは思えない。
おかしい。絶対におかしい。
私は、何か裏があると思っている。
その証拠として、この手紙にあるものを同封してあるから。それを見て君がどう思うかは自由だけど……一応形式上では、これは正式な処罰と考えられていることを忘れないでね?
あと、そうだ。かなり遅くなってごめんだけど、高校入学おめでとう!』
「美咲姉!?」
手紙の主は、小さい頃よく遊んでくれた恋ノ坂美咲だった。
俺が小学校に入学したのと、美咲姉が高校入学したのが同時だったから、九歳年上。
ラブコメの神様として活動する傍ら、俺ともよく遊んでくれていて、いわば俺の姉みたいな人だ。
意外と自由奔放な性格で、恋の神様に昇格してからも勝手に旅行に出かけたりするような人。
確かに最近ずっと会っていなかったけど、まさか危うい立場になってるなんて……。
「いやてか、本当に何やってんだよ。美咲姉……」
まあでも、美咲姉なら大丈夫だろ。こうして足がつくかも知れないのに手紙を送ってくれるってことは、それなりに余裕がありそうだし。
今はそれよりも、美咲姉が言っていたことについてだ。
そう、すなわち、俺に与えられた試練について。
「てっきり、美咲姉がいらんお節介を焼いたのかと思ってだけど……この言い方じゃ、誰かが無断で俺に処罰を与えることにしたみたいじゃないか……」
美咲姉は結構しょうもない嘘もつくし、俺を困らせて楽しむことも多いが、俺が神格剥奪されそうな時に冗談は言わないと思う。
封筒の中に証拠があるとも言っていたし。
そうだ、証拠だ。
封筒をひっくり返すと、中から見覚えのある黒い紙が出てきた。
「これって、あの黒い手紙と同じやつだよな……? お、やっぱり文字が出てきた」
『期間に関してだが、ここに残された日数が表示されるようになっている。参考してくれ。(最初だから簡単にしてるぞ!)
残り日数……【十四日】』
「…………は?」
それは多分、俺が一番最初に受け取った手紙の続き。
期間が記されている部分。
意図的に切り取られた、重要な情報。
「誰が、切り取ったんだ……?」
美咲姉の言葉を信じるには、十分すぎる証拠品だった。




