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ラブコメの神様ですが、一部女子に好かれすぎて困っています。  作者: 猫まんま
一章:永久凍土も時には溶ける!…………よね?
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恋愛占い

 

「恋愛占い……?」


 恋愛と聞いて、雪浜さんの表情が曇る。

 自分が俺を嫌っていることがバレると思っているのだろうか。でも大丈夫、もう知ってるからね!


「どうする? やめる?」

「…………」

「……やっぱりやる?」

「…………っ!!」

「それともやめる?」

「…………」

「はぁ……やるわよ。こんな悲しそうな顔されたら、やってもらうしかないじゃないのよ……」


 渋々というように、腕を差し出す雪浜さん。

 …………ん? 血液検査と勘違いしているのかな?


「あら? 手相占いじゃないの?」

「違います。えっと……今から私がカードをシャッフルするので、二つの束からお二人はそれぞれ一枚ずつ引いてください。引いたカードが、恋愛運や相性の良い相手などを示してくれます」

「そうなの……手相占いじゃないの……」


 どこか残念そうな雪浜さん。

 そんなに手相占いが好きなのか? 生命線とか異常に長いのか?

 そんなことを考えているとカードの束が差し出されたので、俺たちは二つの束から一枚ずつカードを引く。

 その瞬間、ピリッと神力を感じた。 

 マジか……本当に恋愛の神様が関わってんのか……? この子、何者なんだよ……。


「ではまず、信憑性を高めるためにも、お二人について話していきます」

「私たちの個人情報を見るってこと?」

「人聞きが悪いですが……そういうことです。お二人の名前に、今好きな人、学校職場などを」

「へー、それはすごい…………ん?」


 あれ? 恋占いしかできないとか言ってなかったっけ……?

 それとも、これは占いに入らないのか? 


「えっと……まず彼氏さんの方ですが、本名は恋ノ宮誠。高校二年生、恋愛経験はなし」

「そうなのかしら?」

「え? まぁ……実は……」


 くっ……ギャラリーの視線が辛い!!


「彼女さんの方は……雪浜彩乃。同じく高校二年生。……おや? 告白された回数はとても多いのに、恋愛経験はないんですね?」

「ええ、昔から今まで、人を好きになったことなど一度もないわ」

「そ、そうですか……。あれぇ……? 恋占い頼む相手間違えたかなぁ……?」


 薄々勘付いていたが、やっぱり、雪浜さんは人を好きになったことがないのか。勿体ない……。

 てか、本当にすごいな、この子。さっきの神力の件もあるし、実は神様だったりしないか?


「ふふ、全て正解のようですね。さて、では早速、カードを見せてください」

「ああ」

「ふむふむ、成る程……これは面白いですね……」

「ど、どうなったんだ?」


 ラブコメの神様として情けないが、俺は滅茶苦茶結果が気になっていた。

 そりゃそうだよ! 好きな相手がいないから今は付き合う気もないけど、将来的なことを考えて相性とかは知っておきたいからね!

 それに、雪浜さんの好感度を上げるヒントも貰えるかも知れない!

 もう俺はすっかり信じているからね、君を!


「まずは彼氏さんから。彼氏さんは、キューピットの絵ですね。他人の恋を成就させる役回りが多いみたいですね」

「もう一枚は?」

「もう一枚のカードは……目隠しをした少女。これは独占欲を示すと共に、気付かない恋心を表します。恋を成就させるだけでなく、本当は貴方も恋をしているのではないですか?」

「おお…………」


 すごい。少なくともキューピットは正解だ。

 あまりのすごさに、俺はもう感嘆することしかできない。俺が恋をしているってのはよく分からんが……パフォーマンスか?


「そして彼女さんはもっと面白い。王様のカードと、天使に導かれる革命家のカードです。対になってますね。これは、二つの心が入り混じっている状態を表します。さらに言えば、王様に対する革命家、つまり恐れ。貴方は恋に恐怖しています」


 ほう……。

 チラリと横目で雪浜さんを見ると、雪浜さんは一切表情を動かしていなかった。


「……カード自体の意味は、なんなのかしら」

「王様のカードは、支配者、絶対者。貴方が望めば、手に入らない恋はほとんどないでしょう」

「…………そう」

「あまり嬉しそうではありませんね? でも、安心してください。天使に導かれる革命家のカードが出たということは、そう全て上手く行かないということです。

「どういうことかしら?」

「貴方が一番欲しいものを手に入れるのは、相当難しい。貴方はこれまで恋をしたことがないと言っていましたが、おそらく、貴方の初恋はかなり厳しい戦いになると思います」

「ふーん……」


 初恋が叶わないだろうと言われているのに、雪浜さんは気にしていないようだった。

 だから俺は、雪浜さんの代わりに聞く。


「じゃあどうすれば良いんだ?」

「はい、そこで貴方ですよ彼氏さん。革命家を導くのは天使、つまりキューピット。そして貴方は、他人の恋を成就させるキューピットの絵でした。嫉妬するくらい、お似合いですよ」


 そう言って笑う、占い師の女の子。

 すると占いが終わった途端、急に占いを見ていた女の子たちが騒ぎ始めた。

 相性が良いという結果が、女の子的にヒットしたのか、コソコソと俺たちの話をしている。


「あ、ありがとう!」


 それが気まずくて、俺たちはその場から逃げ出した。

 と、その時、


「でも、先輩の恋愛は後輩が相手の時に一番輝くと思いますよ!!」

「「…………はい?」」


 突然の言葉に、俺たちは立ち止まって振り向くが、


「すごいすごい!! あ、あの! 私と……せ、先輩の相性も占ってください!」

「わ、私もお願いします!」

「ボ、ボクも…………お願いして、良いかな……?」

「拙者も頼むでござる!」


 占いを聞いていた女の子たちに囲まれていて、占い師の女の子は見えなくなっていた。


「…………どういうことだろ?」

「そのままの意味じゃないかしら?」


 ♢♢♢


「なんでお主は要らんことを言うのじゃ!!」


「だって、だってぇぇ……」


「だってではない! まさかお主、最初からこうするつもりで志願したのではあるまいな……?」


「ち、違いますよ! 勿論私も、最初はちゃんと相性抜群で終わらせるつもりでしたよ……。でも、楽しそうに喋っている二人を見て、極め付けに自分に気付いてくれない先輩を見て……ああ、私って先輩にとってただの後輩なんだな。ただの幼馴染なんだな。とか思っちゃって……」


「それで、思い出してもらうためにあの一言か……」


「うぅ……すみません……千代紙様……」


「はぁ……やってしまったもんは構わん。後は翔馬に任せて、吾輩たちはこの女子(おなご)らを占うのじゃ。それに、占いの結果も悪くはなかったしの」


「で、でも個人情報はさっきは先輩だから言えたんですよ!? 彼女たちの個人的なことなど分かりません!」


「それは大丈夫じゃ。ここにいるのは、吾輩とご主人がこれまで支援してきた女子(おなご)だけじゃからな。皆知っておる」


 と、誠と彩乃がいなくなった後、占い師の女の子はコソコソと虚空に向かって話していたらしい。


※この占いは作者が考えたものです。実際に効果があるかは知りません。

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