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ラブコメの神様ですが、一部女子に好かれすぎて困っています。  作者: 猫まんま
一章:永久凍土も時には溶ける!…………よね?
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今年の一年は……

あれほどあったストックが消えていくぅ〜

 

「雪浜梨沙だ。よろしくな!」


 梨沙ちゃんは、快活そうな子だった。

 見た目からして雪浜さんとは対極に位置するような子で、雪浜さんが黒髪ロングなら梨沙ちゃんはツインテールだ。

 ニカッと笑う口から八重歯が覗いており、両手を腰に当てて堂々としている。

 雪浜さんも堂々とはしているが、雪浜さんのが氷の女王様とすれば、こっちは元気なスーポーツ少女だ。


 だがやっぱりなんというか、姉妹だなぁと感じる所はある。

 例えばその美しい容姿だ。梨沙ちゃんの顔にはまだ幼さが残るものの、やはり雪浜さんと同じ血筋の人間だ。

 あと胸の大きさ。それ以上は言わない。


「ん……あれ? 楓じゃないか!? なんだー! そういうことかー」

「えっ……あ、そ、それは……」


 知り合いだったのか。

 何か含んだようなニヤニヤとした笑みに、楓が顔を真っ赤にする。

 その反応を見た梨沙ちゃんはさらに目を輝かせて、楓の耳元で何かを囁き始めた。


「…………っ!!」


 すると楓が、さらに真っ赤になって俺の方をチラチラと見てきた。俺と目が合い、頭からプシューと湯気を出す。

 梨沙ちゃんと楓が何か話しているようだけど、声が小さくて聞こえないな。


「さ、早くいきましょう。学年も違うしこの人数なら……屋上かしら?」

「ああそうだな。首を傾げてないで行くぞ、誠」

「え? わ、分かった。楓、梨沙ちゃん、話しているところ悪いけどもう行くって」

「っ!! わ、分かりました先輩! 梨沙も、もう行くからこの話はおしまいです!」

「チェー。楓があんな顔を真っ赤にするなんて、面白かったのになぁ……」

「い、良いから行きますよ梨沙!」

「あ、おい! 引っ張るなって! わ、分かった! ごめんって! か、揶揄ったのは悪かったからぁぁ!!」


 かなり恥ずかしかったのか、いつになく手荒な真似をする楓に、梨沙ちゃんが本気で謝る。

 それでも楓は頬を膨らませていたのだが、好奇心は猫をも殺すとは言え、流石に梨沙ちゃんが可哀想だ。

 俺が注意すると、楓はしぶしぶと梨沙ちゃんの腕を離した。


「い、いてて……。……あ、ありがとな、その……」

「恋ノ宮誠だ、よろしくな」

「あ、ああ……よ、よろしくな……マコト」


 いきなり呼び捨てか。

 でもなんだろう、舐められている感じはしない。むしろ親しみを感じる。


 梨沙(呼び捨てで良いと言われたので)と話しているうちに屋上についたが、俺たち以外には誰もいなかった。


「誰もいないなんて珍しいなー。いつもは五人くらいいるのに」

「梨沙はいつも来てるのか?」

「ん? まあ時々かな。な、楓」

「はい、教室で食べることが多いですが……天気の良い日なんかは屋上に出て食べますね」


 へぇ……良いな、屋上。俺も今度から使ってみようかな。

 何より、オリガミちゃんと話していても、周りに変な目で見られないのが良い。


「ま、なんにせよ人がいないならラッキーだな。おい誠、どこら辺で食う?」

「ベンチとかあれば良いんだけどな……。スカートとか汚れないか?」

「ああ、それなら大丈夫だぞ。確かこっちに……おお、あったあった!」


 屋上の隅の方に走って行った梨沙が、何かを持って戻ってきた。


「じゃーん! ブルーシート! 天体観測とかで使うやつだけど、いつも勝手に使わせてもらってるんだ」

「勝手に使って大丈夫なのかしら……?」

「大丈夫大丈夫。実際天文部員に聞いたこともあるけど、『よく分からないけど楽しそうだからオッケー!』って言ってたしさ」

「それは駄目なやつでは!?」

「まーまー、細かいことは気にしない気にしない。ほらほら、さっさと食べようぜ」

「そうですね、先輩方も早く食べましょう」

「「「…………」」」


 今年の一年はパワフルだな……。

 俺たち二年生三人の間で、初めて意見が一致した瞬間だった。


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