幼女様は限界突破!
読んでくださりありがとうございます!
ラブコメは初挑戦ですが、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。
心の声(前書きとか後書きって何書けば良いの……?)
気持ちの良い朝だ。
同居人がカーテンを開けてくれたのだろうか、窓から差し込む光が、俺の顔を照らす。
寝ぼけた目で横を見れば、目覚まし時計の針は設定した時刻を過ぎている。
……おかしい。
俺は、目覚ましの狂ったような煩いあの騒音をまだ聞いていない。
まさか、設定し忘れたのか?
いやいや、まさかそんな。
あ、そうか、これはまだ夢──
「ごっしゅじーん!」
「ウゲェッ!」
──じゃない!?
この痛み、夢じゃない!
というか、今ので完璧に目が覚めた。
俺は衝撃を感じた腹、正確にはその上に目を向ける。
「過激な起こし方はやめてください」
「吾輩でない、起きないご主人が悪いのじゃ♪」
美少女──千代紙オリガミが、楽しそうな笑みを浮かべて俺の腹の上に跨っていた。
♦︎♦︎♦︎
「それで、どうなのじゃ調子は」
エプロンを着けたオリガミちゃんが、茶碗に炊き立ての白米をよそいながら聞いてくる。
わーいロリっ子新妻だぁー。
「ううん……まだ目に違和感があるかな……。でもまあ、心配するようなことはないよ」
それを受け取りながら、俺は答えた。
オリガミちゃんも席に座って、手を合わせて挨拶をしてから料理を一口。
うん、普通に美味しい。
「なら良いが……違和感が消えなければ吾輩に言うのじゃぞ? こんな試練を与えられる神など、これまでご主人だけなのじゃ、何があるか分からんからの」
「俺だけ? でも、黒い手紙自体は結構有名な話じゃないか?」
「うむ、確かに黒い手紙を貰った者は多い。じゃが、ご主人のようなただただ面倒な指令は初めてじゃ……あむ……」
どこか不満げな表情で、オリガミちゃんは米を口に放り込むが、咀嚼している内に表情が柔らかくなっていった。
流石はお米パワー。
幼女の機嫌も一瞬で回復させるとは。
俺もお米の神様に生まれていれば、オリガミちゃんの機嫌を気にしなくて良かったのかも知れない。
「好感度を上げろ、かぁ……」
俺は、昨日貰った黒い手紙の内容を思い返す。
『ラブコメの神様として、貴殿は今存在が危険な状態にある。即ち、人間の女子より好意的な感情を持たれなさすぎる。ちょっとはモテろよ。
ラブコメの神様と言えども、ただの人間。これが人生最後のチャンス!?とか思ってハニートラップにやられてしまうこともあるだろう。
我々神達は、貴殿のことを心配し、命令を下す事にした。
特に低い女子からの好感度を、期限までに一定以上にせよ。これは命令である。
頑張れ少年! 童貞を捨てるんだ!
PS.この手紙は読み終わって一分後に爆発する』
まあつまり、俺の恋愛事情を心配しているのだ。余計なお世話すぎる。
「こんな事をわざわざ指令するあたり、一筋縄ではいかんぞご主人」
「対象が殺人鬼ってことか……」
「うむ……吾輩は分からんが……多分違うと思うぞご主人」
ラブコメの神様としての能力も、自分のためには使えない。
その女子には、俺のことをチートなしに好きになってもらう必要があるのだ。
「まあ、それも相手を見つけてからだな」
「そういえばご主人、好感度を見れるようになったらしいが……まだ使っておらぬじゃろ?」
「え? あ、あ〜……うん」
「なんじゃ、歯切れが悪いの。まさかご主人、昨夜夜遊びに行ったのではあるまいな!? だから今朝も起きるのが遅かったのじゃろ! 吾輩というものがありながらハニートラップに早速引っかかるとは……」
「行ってない行ってない! というか起きれなかったのは、誰かさんが目覚まし時計を止めたせいだろ!?」
「さ、さあ……な、なんのことじゃ?」
「目が泳ぎまくってるぞー」
誤魔化すならもっと上手にやって欲しい。
いやまあ、昔のように、吹けない口笛に挑戦するよりは良いけど。
「…………」
俺は、能力を使ってオリガミちゃんを見る。
オリガミちゃんは補助女神であり、一年くらい前から俺の仕事を補佐をしてくれている幼女……もとい少女だ。
昨夜から変わっていると、そう信じて……
「どうしたのだ、ご主人?」
そんな、ビジネスパートナーの好感度は……
個体名:千代紙オリガミ
性別:女
年齢:十二
好感度:1000/100
相変わらず、限界突破していた。
この子とのビジネス恋愛で良いと思うんだが……どうだろうか。
タイトルに『〜』とか使ってサブタイトルを付けたいが……何か良い案はないものですかねぇ……。