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ラブコメの神様ですが、一部女子に好かれすぎて困っています。  作者: 猫まんま
一章:永久凍土も時には溶ける!…………よね?
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紙袋の中身は……

 

 楓は、白い紙袋をいくつか持っていた。

 服装は特になんの変哲もなくいつも通り…………


「リボンじゃないんだな?」

「? 何がですか?」

「いや、なんでもない。私服姿を見るのは久しぶりだなって」


 別にがっかりはしてないぞ?

 制服でも巫女服でもない、今の私服姿の楓は、見るだけで昔に戻ったような気がした。

 まず目につくのは伊達眼鏡だ。そしてこれが格好似合っている。

 眼鏡は医療器具派の俺としては、今まで伊達眼鏡にあまり良い印象を抱いていなかったが、少しだけ立場を変えるかも知れない。


「ま、早く入りなよ。これはどこに持っていけば良い?」

「あ、それはリビングにお願いします。え、えと……お邪魔します」

「うむ、いらっしゃいなのだ」

「ああ、智典さんに言われたからとかじゃなくて、普通にゆっくりしてって良いからさ」

「は、はい……!」


 緊張した面持ちで、楓が家の中に足をゆっくりと踏み入れる。

 よし、じゃあこの紙袋はさっさと持っていくか。

 お客さんとは言え、昔からの幼馴染だ。俺は楓をオリガミちゃんに任せて、リビングへ紙袋を運ぶ。


「こ、ここがリビングですか……広いですね」

「いやいや、家の広さで言ったら楓の方が広いでしょ。それにこれは、俺とオリガミちゃんだけの家じゃないし」

「うむ、普段は神界で生活しておるとは言え、ご主人のお父上とお母上もいる。二人だけの家に引っ越すのも、それはそれでよいかも知れんが……」

「親が帰ってきた時、色々とまずいからな」


 変な誤解をされたりすれば、恥ずかしいとか以前に警察に連絡が行ってもおかしくない。

 オリガミちゃんは十二歳。人間界だけじゃなくて、神界ですらあまり外聞が良いとは言えないのだ。


「そう言えば、この紙袋の中身ってなんなんだ? 智典さんが持たせたんだろうとは思うけど」

「それはですね……」


 俺が聞くと、楓は紙袋の一つに手を入れて、中から折り畳まれた白い布を取り出した。


「……何じゃ、これは?」

「えっと……服です。一応……」


 少し恥ずかしそうに、手に持つ布を開いた楓。

 重力に従って布は広がり、その全貌が明らかとなる。

 誰もが見たことのあるだろう、白い服。胸に小さく『かえで』と書かれたネームプレートがあった。


「…………なんでナース服?」

「そ、それはですねっ……。あ、こちらに大正風のもありますよ!」


 ほぼ和服の、しかし少しだけナース服っぽさのある服を見せられた。


「いやそうじゃなくて……なんでナース服を持ってきてるんだ?」

「ナース服……うむ、知っておるぞ。病院に行った時、沢山の人が着ていたのじゃ」

「か、簡潔に言いますとですね……。好感度がどんなものか知るためだそうです」

「…………はい?」

「で、ですから……! 私たちがこれを着たり色んなことをして、その都度好感度がどのように動くかを調べるんです! それに好感度を見ることを意識していれば、見忘れもなくなるはずだってお父さんが!」


 それなりに恥ずかしいことを言っている自覚はあるのか、顔を真っ赤にする楓。 

 そりゃ……確かにそうかも知れないけどさ……。

 理屈は分かる気もするけど、コスプレというのがやっぱり抵抗感あるな……。


「吾輩はよいと思うぞ? こすぷれとは言え、服は服じゃ。少し、興味がある」

「服を着ていても、外に出た途端いつもの和服になるんでしたっけ?」

「うむ、そして着ていた服は吾輩の部屋に移動する。当然外で着替えもできんから、吾輩はこの家の中でしか服は着られんのじゃ……」


 俺が断って楓が服を持って帰えれば、オリガミちゃんはコスプレ衣装を着ることができなくなる。

 この量の服を流石に借りるわけにも行かないから、着させてあげられるのはこういう場面しかないってことか……。

 数着ずつ借りれば良いかも知れないが、どうせコスプレして楽しむのなら、オリガミちゃんは俺に確実に見せてくる。


「それなら……うん、良いんじゃないか? 大正風ナース服とか、オリガミちゃんに似合いそうだしね」

「そうか! うむ、なら早く楽しむのじゃ!」


 意気揚々と、オリガミちゃんは紙袋の中から服を一着一着丁寧に出していく。

 智典さんのことだから、ふざけて変な衣装が入ってないから心配だったが……流石の智典さんも、娘が着る服を変態的な物にはしなかったみたいだ。

 職業系のコスプレ衣装とか、あとは普通の洋服だ。サイズを見るに、多分楓のお母さんがオリガミちゃんのために入れてくれたのだろう。

 他には、ワンピースタイプの水着や、白色のスクール水着…………え?


「この袋は水着ばかりじゃな。吾輩は海に行っても水着は着れんのじゃが……」

「いやいや待て待て!? 明らかにおかしい物があった気がするんですが!?」

「あー……確かにありましたね……。ちょっと、特殊なものが」

「む? そうなのか?」


 楓は分かったみたいで頬をひくつかせているが、オリガミちゃんはまだ分かっていないみたいだ。

 仕方ないので、()()を手にしてオリガミちゃんに説明する。


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