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ラブコメの神様ですが、一部女子に好かれすぎて困っています。  作者: 猫まんま
一章:永久凍土も時には溶ける!…………よね?
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相談と惚気と贈り物!

 

『だからボクは言ったんだよ。君に勝る月はないよってね。そしたらだよ? 月はそもそも一つしかないじゃないかって言われてさ、いやぁあの時は参ったね!』


 その夜のこと、俺は一時間くらい長話に付き合わされていた。

 電話の相手は、楓の父親、智典さん。

 咲良さんとの馴れ初めとかを聞いているうちに、やがて話は脱線していき、今では両想いだと知りながら素直になれなかった昔の咲良さんの話になっていた。


「咲良さんは素直になれなかったんですね」

『そうだよ』


 今では智典さんにデレデレな咲良さんが、昔はそんなツンツンしていたなんて信じられない。

 というか咲良さん可愛いなぁ……。

 罰ゲームで智典さんと食べさせ合いっこして、その時は嫌そうだったのに、帰った途端ベッドの上で幸せそうにゴロゴロ転がっていた辺りとか特に。

 写真を撮って智典さんに見せた、咲良さんのお母さんは良い仕事をした。

 咲良さん可愛いなぁ……(二回目)。


『ちなみに今でも咲良は素直になり切れてないんだよ。誕生日プレゼントをあげても素っ気ない態度を取ってね』

「そうなんですか?」

『うん。でもボクが部屋を出て一人になると、嬉しそうにニヤニヤして頬擦りしたりしててね。それがまた可愛いんだよ……』

「羨ましい…………」

『ははは、咲良はボクのものだからあげないよ? その代わり楓なら喜んであげるけどね。誠くんなら特別だ。楓を大切にしてくれよ』

「あ、あはは……」


 最初は、どうしてお互いがお互いを好きになったのか聞いて参考にするつもりだったが……智典さんの例はあまり参考にならないかも知れない。

 従兄弟で幼馴染とか、色々と最初から反則だ。しかも、咲良さんに至っては最初から智典さんのことが好きだったみたいだし……。


『……ところで、その様子じゃ進展はないようだね?』

「え? ああ、はい。今日、遊園地でオリガミちゃんとデートをしたんですが、その時に雪浜さん……ターゲットと会いました。少しは見直してもらえたような気もするんですが……」

『明確な変化はなかったと。好感度の方はどうなんだい?』

「そ、それが……好感度を見忘れたんですよ……」

『へ?』


 拍子抜けしたような智典さんの声。

 そ、そりゃそうだよな……。俺の唯一の利点なのに、それを使わなかったんだからな……。

 あの時はどうかしていた。


『そうか……。いや、手応えがなかったと言うなら、大きな変動はないだろうからね。気にすることでもないさ。どちらにしろ、悪い方には進んでないんだろう?』

「はい」


 それは断言できる。まあ、あれ以下の数値にはそう簡単にならないだろうしな……。


『ふむ……そうか、なら少しボクに考えがある。明日楓がそちらに行っても構わないかな?』

「え? は、はい……。それは全然大丈夫ですけど……考えってなんですか?」

『ああ、その前に少し良いかな。誠くんはボクと咲良の好感度も知っているかい?』

「え? いや、流石に知らないですよ。だって智典さんは男ですし、咲良さんは智典さんにベタ惚れじゃないですか」

『あはは、そう言われると照れるね。……でもね、誠くん。それじゃぁ駄目だよ』


 駄目……? どういうことだ?


『男だって男に恋をするし、咲良の好感度から何か知ることができるかも知れないだろ?』


 それは……そうかも知れない。


『今日のこともある、まずは好感度を見忘れないようにしなくちゃいけない。明日はその特訓をしてもらうよ』

「特訓……?」

『ああ。ちなみに好感度は目隠ししても見れるのかな? 鏡越しには?』

「相手を直接しっかり見ないと好感度は分からないです。なのでマスクとサングラスを付けられたりしたら……難しいですね。あ、でも、最初から誰だか分かっていたらいけるかも知れません」

『成る程、分かった』


 携帯の向こうで、軽やかなタイピング音が聞こえた。

 …………なんかテンション高い?


『明日の九時頃楓をそちらに送って行くよ』

「はい、分かりました」

『うん、ところで誠くん、君はどんな女の子が好きなのかな?』

「へ? 急になんの話ですか……?」

『いやいや、小説の次回作が今難航していてさ、現役男子高校生の意見を聞きたいんだよ。誠くんなら、様々な恋愛を見ているだろ?』

「そ、そういうことなら……」


 小説、特にラブコメを書いている智典さんは、時々俺に意見を聞いてくることがある。

 ここまでプライベートなことを聞いてくるのは初めてだが、俺は智典さんの質問に答えていった。 


『なるほど……、胸は大きいよりも普通〜小さい派。髪は長い方が好きで、優しければヤンデレ以外ならタイプは問わない。甘えてくれるのが好きなのか。あと和服が結構好きなんだね』

「はい……あの、でも、これって意味あります? 俺って結構特殊だと思うんですけど……」

『いつもなら意味がないかもね。でも今回はそれで良いんだよ。あと誠くん、ボクもちっぱい好きなんだよ』


 えっと……、(流れるようなカミングアウトは無視して)どういうことだ?

 俺は智典さんの言葉の意味を考えようとしたが、智典さんがすぐに続きを話し始めたので、慌てて思考を中断して耳を傾ける。


『ところで誠くん、君はロリコンかい?』

「はい!?」

『ああごめん。小さい子は守備範囲かな?』

「いやそれって同じ意味ですよね!?」

『違うよ。例えば昔のボクは小さい子も好きだったけど、咲良と結婚したことからも分かるようにロリコンじゃない。小さい子()()好きか、小さい子()好きかの違いがあるんだよ』

「そ、そういうことですか……それなら、小さい子は守備範囲外ですね」


 小学生にほっこりすることはあっても、JCはぁはぁみたいにはならない。

 小学生が登下校しているのを見て男の反応をしたことも……うん、数えるくらいしかないからな。


『そうか、なら今度良い物を送ってあげるよ』

「良い物?」

『まぁ楽しみにして待っていてくれないか? その代わりと言ってはなんだが……うん、明日楓を連れて行く時は楓をラッピングした状態で……』

「本日はありがとうございました!!」


 最後まで役に立たなかった。

 俺は電話を切って、ベッドの上に身を投げ出す。


「どっと疲れたな……」


 俺はそっと目を閉じた。


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