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ラブコメの神様ですが、一部女子に好かれすぎて困っています。  作者: 猫まんま
一章:永久凍土も時には溶ける!…………よね?
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お化けが苦手な彼女

時は変わって翌日です!

シーンを突然変えるのはWebだと嫌われるんですかね……?

 

「ご主人! 見てみよ! とても大きな輪っかがあるぞ! 遠くから見えてたものじゃ! しかし資源の無駄使いじゃな!」

「いやいや違うから。あれは観覧車って言う乗り物。ほら、小さなカゴがあるでしょ? あれに乗って景色を楽しむんだよ。密室で二人きりになれるから、カップルとかに人気だね」


「おおっ! コーヒーカップがグルグル回っておる! おおーおおーおお? み、見てるだけで目が回りそうじゃあ〜〜」

「あれはコーヒーカップ。ここのは自分で回転量を調整できるから、心配しなくても大丈夫だよ? まあ、俺が変な目で見られるけど」


「なんじゃこれは。噴水にお金が投げ込まれておるぞ? お賽銭なのか? それとも募金箱か?」

「さぁ……? テーマパークに水があると、お金を投げ入れたくなるんじゃないかな? 掃除が面倒そうだからあまりしない方が良いと思うけど」


 翌日の土曜日、俺とオリガミちゃんは好感度を上げる練習として、二人で隣町にある遊園地に来ていた。

 周りから見れば、俺はきっとお一人様なのだろうが気にしない。

 雪浜さんの好感度を上げないといけないからな……! このさいプライドは捨てる! 

 それにあれだ、遊園地といえば恋愛の巣窟。ラブコメの神様にとって、仕事場と言っても過言ではない場所なんだよ。


「そういやオリガミちゃん、遊園地は初めてだっけ」

「ゆーえんちと言うのか! なんとも強そうな名前じゃな!」

「強そう?」


 むしろ、油淋鶏みたいに聞こえて美味しそうなんですが……。


 オリガミちゃんは、初めての遊園地に興奮を隠し切れないないようで、あれはなんだこれはなんだといっぱい聞いてくる。

 そして、その度に説明をする俺。

 そして、その度にギョッとする通行人。


 やめてください違うんです……。恋人が交通事故に遭って仮想デートとかじゃないんです……哀れまないで……。手を合わせないで……。

 あ、風船ですか、大丈夫です。俺よりも子供にあげてください。はい、大丈夫です。彼女さんにって言われても彼女がいないんで……いや、いないってのは亡くなったとかじゃなく……。


「すまぬの、ご主人、初めて来た吾輩でも分かるぞ。ここに一人で来るのはおかしいと」

「大丈夫だ。ラブコメの神様たるもの、一人でカップルだらけの場所に特攻してなんぼ、これしきのことで俺は折れんぞ……」


 涙を堪えて決意する俺に、小さい子供からそっと風船が差し出された。


 ♦︎♦︎♦︎


「よし、まずはどこに行こうか」

「ご主人、その風船があると、さらに痛々しい人に見えるぞ……?」

「よし、まずはどこに行こうか」

「…………そうじゃな、と言っても、吾輩はあとらくしょんなど見ても分からぬし……」

「イメージで良いんじゃないか? 見た目で楽しそうとか」

「そうじゃな……ならばこれじゃ!」

「どれどれ…………えっ?」


 オリガミちゃんがマップ上で指し示したのは、まさかのバンジージャンプだった。


「えっと……参考までに聞くけど、なんでこれ?」

「テレビで少しだけ見たことがあるのじゃ。いがみ合っていた若い男女が、飛んだ後は仲良くなっていたのだな。これはきっと仲良くなれるあとらくしょんじゃ」

「まあ、確かにそういう効果もあると思うけど……」


 吊り橋効果って奴か。 

 まあ、これなら一人で行ってもおかしくはないし、俺がオリガミちゃんを抱えて飛べばオリガミちゃんも体験できる。


「でも、俺たちには関係ないんじゃないかな?」

「む?」

「その二人は、怖がっていて仲良くなったんでしょ? でも俺たちの場合、俺もオリガミちゃんも高い所には慣れてるからなぁ……」


 だてに天界で生きる種族ではない。

 高所には慣れている。


「そうか…………仲良くはなれないのか……」

「高い所が苦手な子になら良いかも知れないけど、無理矢理連れて行くと結局嫌われるしね」

「むぅ……よく考えとるのじゃな、ご主人は……ならば……これはどうだ?」

「お化け屋敷?」

「違うわ! その隣じゃ隣! 誰が好き好んで作り物のお化けを見に行くのじゃ……吾輩は行かんからな」


 最後に釘を刺してきた。

 フワフワ浮いている幼女とか、お化けみたいなもんだと思うけどな……。

 見方によれば、俺に取り憑いているとも言えるし。


「まぁ、怖いなら行かなくていいか。デートとかの定番で、出てきた後は打ち解け合うとか言うけど、怖いなら行かなくていいな」

「強調するなぁ! べ、別に怖いとかはないのじゃ! だ、だからなっ!? お、お化け屋敷がデートの定番と言うのなら入ってやろうぞ!」


 ドンッと自分の胸を叩くオリガミちゃん。

 涙目になってるんですが……。


「無理してるなら良いって。

「嫌じゃ嫌じゃ! ご主人とお化け屋敷に入るのじゃぁ!」

「そんなこと言ったってなぁ……」


 いつになく強情なオリガミちゃんに、俺は困り切って頭を掻く。

 オリガミちゃんの負けず嫌いな部分が強く出てるんだろう。

 でもまぁ、プライドで突き進むのは後悔するってのを教えてあげるのも、パートナーである俺の役目か……。


「よし分かった。ならお化け屋敷に入ろう」

「う、うむ…………」


 俺たちは二人で列に並ぶ。

 オリガミちゃんの表情は、今から戦いに赴く戦士のようだ。

 幸か不幸か、順番はすぐに来た。


「よ、よし……行くぞ、ご主人……」


 俺たちはほぼ同時に館に足を踏み入れ……


油淋鶏


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