ちょっとだけ分かり合うJK。
「お前誰だ!?」
「……? なんだいきなり」
銭湯を出てキャロちゃんの家に歩きつつ、アーニャの背中を見ながらいろいろ考えてみたけど、やっぱりおかしい。
「お前アーニャじゃないな!?」
「……なんで分かった?」
やっぱり! 絶対おかしいと思ったんだ。
「いつ入れ替わった!? 本物のアーニャはいったいどこにやった!?」
「……え、これいつまで続けるんだよ」
アーニャもどきが呆れたような顔で私を見つめた。
「と、とぼけたって無駄だよ! くらえーっ!」
私はとぼけ続けるアーニャもどきにボディブローをかました。
「ぐえっ……て、てめぇ……」
「本性を現したな! かかってこいっ!」
……その後、私は彼女に見事にボコボコにされました。
「なんでお前は私が偽物だなんて言い出したんだ? おいコラ」
「いっ、痛い痛いっ! 許してっ!!」
「だからなんでそんな事言い出したんだって聞いてんだよオラァっ!」
「痛い痛い痛いっ!! ごめんなさい許してアーニャ!! だって今日のアーニャすっごく優しくて変だったんだもん!」
「……私が優しいと変だっておかしくないか?」
アーニャが私の頭を叩く手を止めたので、恐る恐るその表情を見ると、ちょっと悲しそうな顔をしてた。
「えっ、もしかして傷付いた?」
「……べつに。そんなんじゃねぇよ」
アーニャが顔をぷいってしてこっちを見てくれなくなった。
スタスタと先導して歩いていくアーニャはなんだか傷付いたっていうより……。
「もしかして……拗ねてるの?」
「……ッ!! ばかっ! 死ねっ!」
やッッッば!! くそかわいい!!
「ねぇねぇアーニャアーニャ♪ もしかして私に偽物呼ばわりされて拗ねちゃったのかなー?」
「うっせぇ!」
「あれあれー? 顔赤いよ?」
「ッッ!! ……帰る!」
やばい、からかいすぎた!
アーニャがキャロちゃんの家の方角とは違う方向へくるっと向きを変えたので慌ててその足に縋りついた。
「待って! ごめんって。お願いだから一緒にお泊りしようよぉ」
「うおっ、ばか、離せっ!!」
私がアーニャの膝元にぎゅっと抱き着いちゃったもんだから足を踏み出せずバランスを崩したアーニャが地面にぼてっと倒れてしまう。
「ご、ごめんアーニャ! 大丈夫?」
顔面から地面に倒れてたアーニャが、ぐるんと身体を仰向けにして、ニヤリと笑った。
「ていっ!」
慌ててアーニャを助け起こそうとした私の足元を、彼女は蹴り飛ばした。
つまり
「うわあぁぁっ!!」
「ざまぁみろ!! って、おいこっちくんな!」
「「ぐえぇぇぇっ!!」」
そりゃ前かがみになってる時に足を払われたら前に倒れるに決まってるじゃん……。
私はアーニャに覆いかぶさるように倒れた。
役得至福棚からぼたもち。
「いってて……ぷっ、お嬢風呂入ったばっかりなのに真っ黒だぞ」
「アーニャだっておんなじだよ」
私達は重なりあったまま、お互いの顔を近距離で見つめて、笑い転げた。






