違和感を感じるJK。
「ハッ!? 私の天国は……!?」
「お、目が覚めたか。結局のぼせただけっぽいな。このまま目覚めなかったらどうしようかと思ったぞ」
「アーニャ……なんで服着てんの……?」
「なんでって……そりゃ風呂出たからな」
死んだ。私のパラダイスは死滅した。
でもその分とてつもなくいい思いもした気がするからそれはそれで良しとしないとだよね。
「キャロちゃんとチェルシーさんは?」
「あの二人は先に帰ったよ。寝室を少し片づけておくってさ。でもあんたほんとに大丈夫か? このまま自分の家に帰った方がいいんじゃ……」
「ちょ、ダメだよそれは! 私はアーニャと……み、みんなでお泊りが楽しみだったんだから!」
アーニャは一瞬不思議そうな顔をしたけれど、すぐにニヤっと笑って
「そうか。確かに私達に共通の仲間が出来るってのは珍しいから嬉しい気持ちは分かるけどな」
なんて言った。
キャロちゃんが仲間に加わった事はアーニャにとっても喜ばしい事だったらしい。
軽く嫉妬するけど、確かにキャロちゃんは可愛いし胸でかいしスキルめっちゃ使えるしいい子だし可愛いし胸がでかいけどね。
「いやぁあんな面白い奴そうそう居ないからな」
うっ。完全に興味を持っていかれてしまってる気がする。
アーニャが腹抱えて笑い転げるくらいの逸材だもんなぁ……。
しょんぼりしていると、アーニャが私の頭をそっと一撫でした。
「アーニャ……?」
「とりあえずお前はさっさと服を着ろ」
えっ。……あ、私は今脱衣所のベンチに寝かされてタオル掛けられてるだけの状態だった。
「別にアーニャが私に服を着せてくれたってよかったのに」
「アホか。なんで今更そんな仕事しなきゃなんねぇんだよ。……まぁそういうのも懐かしくてたまにはありかもしれないけどな」
珍しい。
アーニャが昔の事を思い出して笑うなんて。
アーニャが、私の世話係だった時の事を思い出して笑うなんて。
胸がざわつく。
アーニャが、少し変だ。
そもそもキャロちゃんの家に泊まりに行く話だってそう。
一緒に銭湯だってそう。
私を心配してくれたり裸でめっちゃ近くまできたり膝枕で介抱したり。
何かがおかしい。
だけど私には、頭が悪い私には考えても答えなんか出てこなかった。
「ん、着替え終わったか? じゃあ私達もそろそろ行くか」
私達が銭湯から外に出るとすっかり暗くなっていて、少しだけ肌寒かった。
「夜はちょっと冷えるな……」
「私が温めてあげようか?」
「ふふっ。じゃあ頼もうか」
「……えっ?」
アーニャがこんな冗談を言うなんて……。
「冗談だよ♪」
この夜だけだろうか?
人の家に泊まりに行くっていう普段と違う状況がアーニャの心を柔らかくしているだけなんだろうか?
だとしても。
今日のアーニャは何かが、おかしい。






