れっつ銭湯なJK。
「ゴハンの後はみんなでれっつオフロデース♪」
まじかよ。
聞いた? 聞きましたか奥さん。
『みんなで』お風呂。
この家の風呂がそんなに大きいとは思えないんだけど、ミチミチ空間に四人で入るのも私は嫌いじゃない。嫌いじゃないよ! 大事な事だからもう一回言っておこうか。
望むところだ!
「あの、キャロのお母さん」
おずおずとアーニャが手を上げる。
「ハイハイなんだねそこのキミ」
「失礼な言い方ですけれどここのお風呂がみんなで入るほど大きいとは思えないのですが」
「オーウ失念無念でゴザルよ!」
ちょっと待って。分かってて言ったんじゃなくてその場のノリで『みんなで』って言ったの? ふざけるなよ!?
「確かにわたくしの家のお風呂は……その、大層貧相な物ですので……お嬢の家のと比べてしまうと……」
なんだかキャロちゃんまで凹みだしたし!
ここは私が人肌脱いで……じゃない、一肌脱いでキャロちゃんを慰めてやらねば!
「そういう事ならみんなで入れる場所に行きましょう!」
「おい、お嬢ちょっと待て何を勝手な事を……」
アーニャが睨んでる睨んでるよ! でもここで怯んでなるものか。私の至福の時間が待っているのだ。
これはダンジョンでの戦いよりも私にとっては重要な案件なのだ。故に、勝つ!
「みんなで親交を深めるにはやっぱり一緒にお風呂ですよね! だからこの近所に銭湯とかありませんか!?」
「オウ戦闘? 何と戦うでゴザル?」
「おっかちゃん、戦闘でなくて銭湯っちゃ。みんなでお風呂に入れるおっきなお風呂なんよ?」
あぁぁぁぁ!! 声を大にして言わせて頂く。
いや、人前だから口には出さないけれど。
キャロちゃんのめちゃくちゃな方言がツボに入りすぎて辛い! 生きるのが辛いのです私。
アーニャに言ったら絶対「ならさっさと死ねよ」って言われるのが目に見えてるし言ったら縁を切られそうだから言えないけれども!!
「ナルホドネー♪ 確かスーパーなんとかって言うのが近くにありもうすでゴザルよ♪」
「おっかちゃん、でもああいう所は結構お金がかかってしまうんよ? ウチらにはちょっと……」
「何とした事ジャー! マイマネーに余裕がアレバみんなともっと仲良くなれたでゴザロウに……」
待て待て。そこで諦めるんじゃない! もっと熱くなれよ!!
「今日と言う日は二度と無いのです! 似たような事を経験できる日は有るかもしれませんが今日この日は今この時しか存在しないんですよ! 私達はもっと親交を深めるべきだと思いませんか!?」
私は特にチェルシーさんにターゲットを絞って、その手を握り熱弁する。
「おいお前何を考えてんだ」
アーニャごめん。今は無視する!
「デモ……あちきにはマネーがないのデス」
「だ と し て も !」
私が掴んでいる掌がビクっと震えた。チェルシーさんが涙目で私を見上げた。
こういう所は親子だなぁたまらん、たまらんよ!
「私に任せておきなさい! 今日は家に泊まらせてもらう代わりに私が銭湯を奢ってさしあげましょう!!」
「オウ……ゴッドは居たでゴザル……」
「お嬢……わたくし、そこまで想ってもらえて幸せですわ」
ぐふふふっ。これで勝ったも同然だ!
「お前なぁ……」
「なんだいアーニャ君。みんなで仲良く親交を深めようって言っているのに君一人だけ反対しようって言うのかい?」
「分かった分かった。好きにしろよ」
「アーニャから『好きにして♪』頂きましたッ!!」
とりあえず殴られた。
痛いけれど、残念だったな。この勝負私の完全勝利だ……!
今回ばかりはアーニャに遠慮して引くわけには行きません!
まだまだサービス回は続くんじゃ。






