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メイド服とJK。


「いつまでもコントやってないで次行くぞ。今度は私が開けるからな」


 アーニャが残された二つの赤宝箱の前で立ち止まり、顎に手を当てて一分程悩む。


 どうしたんですの? ってキャロちゃんが声をかけそうになってたので止めてあげた。


 多分今声かけたら怒られるからね。


「よし、じゃあこっちにしよう」


 アーニャは二つあったうち、右側の宝箱を開けた。


『ぴろりろりーん♪ おめでとうございます! 地獄の冥途服を手に入れました☆ これは物凄いレア物ですよ! 赤い宝箱から出る確率は二万分の一くらいです!』


「……メイド服?」


『いえいえ、冥途服でございます♪』


 メイドだか冥途だか物凄いレア装備だかしらないけれどアーニャがメイド服とか死ねる。


「と、とりあえず詳細見てみようよ!」


 私はアーニャの元に駆け寄り解説書を一緒に覗き込んだ。


【地獄の冥途服】

 レア度:★★★

 攻撃力:‐

 属性:闇

 追加効果:物理攻撃を確率で反射、最大魔力+30%

 耐性:全ての属性攻撃に高い耐性有り


 ◆◆◆◆◆◆◆◆


 とある地獄の王が恋をした。それは王城で働くメイドの一人である。

 王は少しでも彼女の気を引こうとあらゆるプレゼントをしたり求婚をしたが、身分の違いを理由に断られ続けた。

 実際はただ単にメイドの好みじゃなかっただけだったのだが、王は身分など関係無い。愛さえあれば、と訴え続ける。

 だったら私がやらねばならぬ事が終われば貴方の妻となりましょう。

 彼女はとある事情で地獄の果てに居る化け物を自分の力だけで倒さなければならない運命であった。勿論嘘である。

 なのでとにかく凄い装備を下さい。あと旅費も必要なのでお金も沢山下さい。

 やるべき事が終わって私が帰ってくるまで決して追いかけてはいけません。

 王はその条件を飲んだ。

 そして、今も地獄の城でメイドの帰還を待ちわびているのだ。

 この服は王がメイド服に模して作った高性能の防具である。

 記載の他にも特殊な効果があるが、それは実際に装備して見極めて頂きたい。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆


「メイド服じゃねぇかよ」


「違うって。メイド服っぽいすごい防具だよ」


「……確かに、相当高性能っぽいけどさ、防具だっていうんだったら普通防御力とか書いてあるんじゃねぇの?」


『あっ、それについてですが、防具は全般的に追加効果や耐性、特殊効果などがメインだと思って下さい。防具によって防御力が違う、という事はほぼありませんのであしからず♪』


「なんだそりゃ……そういうもんなのか?」


 私に聞かれても困る。普通防具は防御力がそれぞれあるもんでしょうよ。


『何を着てたって殴られたら痛いもんは痛いという事ですねっ☆ その点物理反射が付いているこの装備はとてもおすすめですよ♪』


「ナビ子のいう事も一理あるが……しかしメイド服だろう……? 私が着るのもなぁ……」


「何言ってるの!? アーニャに何かあったらこのパーティおしまいなんだよ!? だったらいい装備をしてくれなきゃ困る! それくらいは我慢しなきゃいけないところじゃないかな!」


「そ、そうか……? お嬢がそこまで言うなら……分かったよ。じゃあこの服は私が着る事にしよう」


 やった!

 やった、やったよ!!

 アーニャがメイド服着てくれる事になったよ!


 私頑張った。超頑張った。

 アーニャがメイド服着てるの見れたらもう満足して死ぬかもしれない。


 本望である。


「なにニヤけてんだ?……変な奴だな」


 ごめん、知ってる。

 もう私の頭の中はメイド、アーニャ、メイド、アーニャ、メイド、アーニャ。がエンドレスなの。変でも変態でもいいから早く着て見せてくれませんか?


 私は今日この日をメイド記念日とします。




お嬢:この服がいいねと私が思ったから今日のこの日はメイド記念日。

(^▽^)

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