ばいばいするJK。
蜘蛛はアーニャの身体に飛びつき、その細い足を肩や脇腹にぶすりと突き刺し固定。
抱き着いた状態のまま頭に齧りついた。
「いやぁぁぁぁっ!!」
キャロちゃんの悲鳴が響く。
叫びたいのは私の方だ。
勿論、キャロちゃんとは別の意味でだが。
「アーニャ……やっぱアーニャは最高だな!」
「分かってるじゃないか」
私の言葉にアーニャは不敵な笑顔で応えてくれる。
必死に頭に齧りついている蜘蛛の背後で。
ぐごっ!?
蜘蛛が状況を飲み込めずに困惑しているが、ちゃんと蜘蛛の攻撃は成功して、頭もがじがじやってるし、それによって死んだと思うよ。
イル君がな。
とっさにイル君をポケットから引きずりだして盾にしたアーニャまじ鬼畜。
きっとイル君は目の前に大嫌いな虫が、しかもあんな巨大なのが現れて絶句している間に身体を突きさされた挙句頭を齧られたのだ。
かわいそうに。
これで私を殺した罪は帳消しにしてあげよう。
アーニャは、「くふっ」と完全に悪い魔女みたいに蜘蛛に笑いかけ、ゲル状のその頭に背後からずぶりと手を差し込む。
そして私の方を向いたかと思うと、
「ぷちぷちファイア」
もう片方の手をこちらに向けて、私を燃やした。
「うぎゃぁぁぁぁっ!」
意味わかんない。目の前が一瞬で炎に包まれ、全身火傷状態で発狂するかと思った。
再び私は地面を転げまわる。
さっきの欠片が食い込む。痛い。
欠片が再び熱を持って、炎が外から、欠片が中から私を焼いていく。熱い。
いったいなんなんだ!
どういう事なのか分からないまま私は地面を転がってやっとの思いで体の火を消し、どろっとしてる顔をアーニャの方へ向けるが、
ぼやける視界に映ったのは氷漬けになってる蜘蛛の頭だった。
直接手をぶっ刺して中から凍らせたんだろう。
「おい何してんだ」
「何してんだじゃないよ! 私瀕死だよ!? なんで燃やしたし!!」
自分でも不思議なくらい、こんな状態なのにスムーズに声が出た。
喉まで焼かれたかと思ったけど、意外とこれで、アーニャは加減をしてくれていたらしい。
「うるせぇな早くこいつを仕留めろ。最後はお前に譲ってやるからよ」
何を言ってるんだこの子はほんとにもう!
キャロちゃんなんかあまりの展開に泡噴いて気絶してるぞ!
「このくらいじゃ死なねぇんだよ。凍ってる間にあんたが殺せ」
……あっ。
私はやっとアーニャがやろうとしてる事が理解できた。
私を燃やしたのは絡みついた糸から解放する為。
蜘蛛を凍らせたのは物理攻撃を有効にする為。
私を開放したのはトドメを刺させる為。
そうか。やっぱりアーニャのやる事には全部意味がある。
私は身体中焼けただれながら、嬉しくてしょうがなかった。
転がってるバールを拾い上げ、よろよろとアーニャに近付く。
足元には頭を半分齧られたイル君が転がってたけど見なかった事にしよう。
バールを思い切り振り上げて……。
「ばいばい、軍曹さん」
大きな壁だった大蜘蛛、軍曹さんとの闘いも、やっと終わる時が来ました。
次回、討伐とその後のお話です。
ここまで来たんですからあの人が登場ですね♪
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