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好きがこじれて歪んだJK。


「さて、一つは凍らせて陸地に、一つは焼いて炭にして、もう一つはっと……」


 船に乗ってこちらの岸までアーニャとキャロちゃんが到着したのだが、アーニャは私に地面を掘れと命令してきた。


 何が悲しゅうてバールで地面を掘り返さにゃならんのだ。


 でもアーニャのお願いだからほいほい聞いちゃう。


 かなり深く穴を掘って、その中にサメの頭を放り込む。

 んで埋める。


「氷漬け、炭、土葬。どれかが効果あれば復活しないだろうぜ」


 氷が溶けたとして、完全に陸地で復活しても死ぬ気がする。

 消し炭にしたならまぁ普通に死んだと思う。

 一番心配な頭は地面に埋めちゃったから復活しようにも再生する為のスペースは無いし、無理矢理復活しても土の中じゃ死ぬだろう。


 私はちょっとだけこのサメがかわいそうになってきたよ。

 ここまで徹底的にやられたら流石に無理だろう。


 というより、私が心配なのはこのサメが土の中で中途半端に復活した場合、そして生命力が高すぎてなかなか死ねなかった場合、ひたすら土中で苦しむのかな。って事。


 考えすぎなのは分かるんだけどね。


 でも絶対アーニャはその光景すら想像して喜んでるだろう。

 そういう子だよこの子は。


 非情で、非道で、人非人。ひとでなしなのだ。


 だけどさ、そういう所がいいんだよなぁ。

 私の事を嫌いな癖に自分の利の為に無理して一緒に居てくれるところとか、嫌いな癖に私に何かあるとなんだかんだ心配してくれる所とか、こちらから触るとめっちゃ恥ずかしがって殺意剥き出しになるところとか。


 あーたまんねー。


 分かってるよ。

 私だって普通じゃない事くらいちゃんと理解してる。

 だってこんなアーニャの事が大好きで仕方ないんだからどう考えても異常だ。


 好きな人の事だからなんでも許せるとか、何しても素敵に見えるとかじゃなくて、私はこんなアーニャだから好きなの。


「よし、これで完璧だな。じゃあ次行くぞ次」


 アーニャの言葉にハッと我に返って、慌てて後をついていく。


 今回は探しても魔法陣はなくって、珍しく地面に階段がついてた。


 最近めっきりこういうアナログ移動はしてなかったのでちょっと楽しい。


 階段で地下に潜っていくのってRPGっぽくてよくない?


 私達が階段を降りていくと、今度は天井のすっごく低い部屋に出た。


 天井は低いけど空間自体は結構広い。


 んで地面には魔法陣が沢山。


「これ……どれに乗ったらいいの?」


「こんなに沢山あったら迷ってしまいますわね……」


「おい、分かってると思うけど迂闊に触るんじゃねぇぞ? それぞれ別の場所に飛ばされたら石持ってない奴は置き去りになるからな? そして石持ってるのは私だ。OK?」


 それって、勝手に変な所に飛ばされたらアーニャは問答無用で置いて行くし助けにはいかないからなって事だよね?


 酷すぎ。

 仲間に対してあんまりだ。


 すき。



相変わらずお嬢の「好き」は歪んでいますが、それはどこまでも純粋な気持ちです。

好きだからどうしたいこうしたいじゃなくてただ純粋にアーニャが大好きなだけなのです。

どうしてそこまで信者になってるのかは、あの秘密の件もありますが、大部分はそれ以外の事についてです(^▽^)

その出来事についてはまたいずれ。


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