人食い〇〇とJK。
「さーって気を取り直してでっぱつだよ!」
今回はアーニャも突っ込んでこなかった。
面倒になってしまったのだろうか。
個人的にはアーニャが構ってくれないのはとても寂しい。悲しい。
……辛い。
「なんだかお嬢が悲しそうな顔をしていらっしゃいますわ」
「ほっとけ。構うと図に乗るだけだぞ」
ああ、アーニャは今日も冷たい。いつにもまして冷たい。私が私である証拠をいとも簡単に消し去った癖に。
私をなんだかよく分からない生き物にした癖に。
だけど、だからこそ。
私はそんなアーニャが好きなのだ。
きっとこの感情は友情とかそういうんじゃなくて、もっと別の。
「ほれ、置いてくぞ」
「ちょっと待ってよー!」
今度こそ私達は魔法陣に乗り、次のフロアへ。
次のフロアはなんだろなー。
次の瞬間私達の目の前に広がったのは大きな湖。
そこに小さな小舟が一隻ある以外、何も無い場所だった。
「乗れって事か……?」
「でもお舟ってほら、危ないですわよ?」
でもなぁ……こっち側にはほんとに何もないんだよね。
一応みんなで探索してみるけど、ちょっとした草とかばかりで虫一匹いない。
草むらに生えてた回復薬と、一つ瓶が落ちてて蘇生薬手に入れたりっていうのもあったんだけど、それだけ。
「仕方ない。船で向こう側に行くぞ」
私達は小舟に乗り込んで、備え付けのオールを漕いだ。
こんな所早く抜け出してしまおう。
「あ、そうだキャロちゃん、これさっき拾ったから渡しておくね」
「これは……?」
「さっきあっちの岸で拾ったんだ。回復薬と蘇生薬。ショップに持っていけばそれぞれ三千円くらいになるよ。安くてごめんね」
「えっ、これ合わせて六千円ですの!? 一か月分の夕ご飯代が浮きますわっ♪」
……この子の家はどの程度アレなんだろうね……。ちょっと分からなくなってきたよ。
なんだか不憫だなぁ。この子は出来る限り幸せになってもらいたい。
「おい怪力娘もう少し早く漕げないのか?」
「おーいおいおいまさかとは思うけど怪力娘ってのは」
「あんたの事だよ。他に誰がいるんだ」
……。
まぁ、確かに怪力ですけど?
ですけどぉー。
好きな子に怪力呼ばわりされるのってちょっと女の子としてどうなのかしらかしら?
「それにしても水がとってもお綺麗ですわねー♪ ここで泳いだらとってもお気持ちグッドそうですわ」
「別に泳いだっていいがここ……なんか居るぞ。気を付けろ!」
なんかって何さ。ちょっとした魚くらい居たって別におかしくは……。
私の思考はそこで寸断された。
とてつもなく大きい影が船の下を通ったのを見てしまったからだ。
「……アーニャさんよ」
「……なんだ」
「あれは……いったい、なんですかな?」
「知るか。バカでかい魚としか」
「わたくし大きいお魚の映画見た事ありますわ! まだ小さい頃でしたけれど……」
ちょっとやめてよそれって……。
「確か映画の名前は……」
「おい辞めろ! 縁起でもない……もしこいつがそうなら、かなりヤバいぞ!?」
「エンギデモナイはまだいまいちニュアンスが把握しきれてないですわ。どういう意味ですの?」
「そんな事言ってるとほんとになっちゃうからやめろって事だよ!!」
キャロちゃんの純粋な質問に私が焦りつつ適当な返事をした瞬間、奴は水面から私目掛けてその鋭い牙で襲い掛かってきた。
「やっぱり! なんでこうなるんだぁ~っ!」
私に襲い掛かってきたのはとにかく巨大なサメだった。
イメージ的にはあの映画のヤツを想像していただければ
(* ॑꒳ ॑*)






