ポケットの中を覗き込むJK。
「アーニャさんのお兄さん結構かっこいい方でしたわね♪」
キャロちゃんがとんでも無い事を言い出した。
この子はああいうのがタイプなんだろうか?
頭ツンツンでおでこに傷があって基本的にいつもグラサンしてて、痩せマッチョで身体も傷だらけ。ザ・ヤクザ! って感じ。
「やめとけ。あいつはガチムチ兄貴にしか興味がないような奴だぞ」
「がち……むち? どういう意味ですの?」
心がピュアでどこかズレている君には分からないかもしれないね。
キャロちゃんにイル君の恋愛対象がどんな人なのか教えてあげた。
「同性が好きと言う事ですの??」
「あぁ、それもムキムキな兄貴がいいんだとよ」
それ私がアーニャちゃんに教えてあげたやつだ。
以前ガチムチなスキンヘッドでヒゲの濃いいかにもな人と腕を組んで歩いてる所を目撃しちゃったんだよね……。
しかもイル君人目もはばからずすっごいベタベタ甘えててドン引きしたのを覚えてる。
別に同性愛は否定しないし私は人の事言えない人種だけれど、イル君が男の人に甘えてる姿ってのがインパクトありすぎた。
「同性愛自体はいいと思いますわ! 性別をこえた恋愛は真実の愛だと私の好きなアニメでも……!」
キャロちゃんがどんなアニメが好きなのかしらないけど、そういうのも混ざってたんだろうね。
「アーニャ、ポケット借りていい?」
「いいけど……どうするんだ?」
私はアーニャからポケットを受け取って、中を覗いてみる。
このポケットは手を突っ込むと取り出したいものに手が届く仕様になってるんだけど、中身を覗いたらどんな風に見えるのか気になった。
「……うわぁ……こうなってるんだ。お人形さんみたい」
私の言葉にアーニャとキャロちゃんが私に密着してポケットを覗き込む。
おいおいなんだよここは天国か!?
ポケットの中身はとても小さく見えた。
小さな物が転がってて、その中にちっちゃなイル君が寝転んでるのが見える。
「えいっ! ですわ!」
キャロちゃんが突然ポケットに手を突っ込んで少しだけ何かを取り出した。
「お? 早速出番か!?」
ポケットからイル君の頭が生えた。
「なるほどこうなるんですのね♪ とってもファンタスティックな四次元〇ケットですわ!」
おいやめろ名前を間違えるな!!
「ディメンションポケットだからね! 間違えないように!!」
「似たような物でしょう? それはともかく、突然お呼び出ししてしまってすいませんなのですわ」
キャロちゃんは掴んでいたイル君の頭を、ポイっとポケットの中へ放った。
イル君の事がタイプっていう訳じゃないみたいだなぁ。扱いがすっごく雑だったし。
「余計な時間をくっちまったな。いい加減次行くぞ」
そして私達はやっと先へ進みだす。
あの蜘蛛が出てきたら今度こそぶっ殺すぞ!
「あっ、そうだあのサルは何かドロップしてる?」
私が思い出してサルが居たところを振り返ると、やっぱり何か光ってる。
キャロちゃんがそれを回収し、私に渡してくれた。
「……お嬢、それ何?」
「……ばなな」
私はそれ以上何も言わず、手に入れたバナナをディメンションポケットの中に放り込んだ。
手に入れたばななの使い道は……
勿論食べる事なのでポケットに放り込んでるわけですねw
あ、余談ですがエッセイの日間ランキングで1位になりました☆






