表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/393

兄を飼うJK。


「お嬢? どうした?」


 なんだか物思いにふけり過ぎて話しかけられている事に気付かなかった。


「あぁ……イル君、何? どうかした?」


「いや、さっきからぼーっとしてるからよ。どうしたのかなって」


「あんたの言葉だからシカトしてただけだろ」


 アーニャは相変わらず辛辣。別にシカトしてた訳じゃないよ。


「ごめん。ちょっと考え事してた」


「そっか。お嬢が難しい顔してるといろいろ心配になるぜ」


 こういう優しい所はイル君のいいところだと思うんだけど、基本的になんというか気が利かないのと思い込みが激しいのが玉に瑕なんだよね。


 そんなんだから女の子にモテないんだよ。

 あ、女にモテる必要はないのか。


「そういえばイル君外でいったい何やらかしたの? 今追われてるんだよね?」


 こんな所にずっと隠れ住まないといけないくらい危険な状況って事でしょ? 何したらそんな事になるんだろう。


「どうせ人でも殺したんだろ」


「う……まぁ、否定はしない」


 まじかよ。

「で? その人は結局どうしたの? 死んだまま?」


「いや、すぐに生き返ったよ。でも生きかえりゃいいってもんじゃないだろ?」


 まぁ、普通殺されたら怒るよね。

 私だって怒ってるよ? 絶対許さないからな。


 イル君は私の視線に気づいたのか、気まずくなって目を逸らした。


「オジキを闇討ちしようとした奴を返り討ちにして殺しちまったんだけど、どうやらそいつがどこぞの組の若頭だったらしくてな。そいつの舎弟から追いかけまわされてるんだよ。捕まったら多分生き返れないようにコンクリ詰めにされて海にドボンだろうな」


 ヤクザだか極道だかしらないけどそんな事ばっかりしてるからそうなるんだよ。完全に自業自得じゃん。


「でさ、一つ提案があるんだけど、もし安全に隠れる場所が欲しいだけならここにこない?」


「おいお嬢本気か?」


 アーニャは私の意図に気付いて顔を歪めた。


「ん? なんだなんだ? どういう事だよ」


 私は前にアーニャと話していた事をイル君に

 説明してあげた。


 ディメンションポケットの中に居れば安全に移動できる事、中に居る間は絶対安全だって事などなど。


「へぇ~そりゃすげぇ! 俺もここにずっといるのはそろそろ厳しくなってきた所だったんだ願ってもねぇ!」


「……あんたを連れて行くなら条件がある」


「愛菜が俺に条件? いいぜ、なんでも言ってみろ!」


 妹から頼み事をされているとでも勘違いしているのか、やけにニコニコしながらイル君がドンっと胸を叩く。


「基本的にはポケットの中に居る事。必要な時に私達の都合で外に出す。戦闘中に出されたら文句を言わずに戦う事。これを守れるなら連れてってやる」


「なんだそんな事か! それでいいさ。ただ適度に食料だけは入れてくれよな?」


 なんか育成ゲームみたいだな。

 妹に飼われる兄。


 ……なんだか背徳の香りがしたけどアーニャに言うと叩かれそうだからやめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作公開!!
女の子だってざまぁしたい!【おさころ】〜幼馴染が特殊性癖のヤバい奴な上に私より可愛くて腹立つからこいつ殺して私も死ぬ〜
おさころ
渾身の学園カオスラブコメ!!


毎日更新中のこちらもどうぞ
↓クリックで作品へ↓
sample
100万PV&1200ブクマ突破のTSファンタジー☆


毎日数分で読める日記コメディ
「とある魔王の日記帳。」

小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=623303471&s

ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ