ちょちょぎれるJK。
私達は気を取り直して先へ進む。
フロアをくまなく探索してみたが特に宝箱もないし他のモンスターもいないようだった。
「ここにマジックサークルがありますわよ♪」
キャロちゃんがにっこにっこしながら手招きで私達を呼ぶのでこちらもなんだか楽しい気持ちになってくる。
パーティの癒し担当というのはやはり必要なんだなぁ。
「そういえばキャロちゃんってなんでそんな名前なの?」
「そっ、そんな名前と……申されますと?」
あ、この子すっとぼける気だ……。だけど本名を知っちゃった以上名前の違和感は消えないでしょ。
「キャロはなんであの長い名前を名乗る事にしたんだ? 真名とかなんとか言ってたが……」
アーニャも気になったのか、彼女に問うも、首を横に小刻みに振ってイヤイヤをするばかり。
「そっか。言いたくないならいいさ。人には踏み込まれたくない事だってあるしな。仕方ないから今後はトメと呼ぶ事にするよ」
「かっこいいからですわ!」
即答しやがった……。
「かっこいい……まぁどこかの貴族っぽい雰囲気は出るよね」
「わたくしその……ジャパニーズアニメーションとか結構好きだったんですの。最近は家にテレビもないので見れてませんが……」
アニメ好きっていうのはなんとなくだけど分かる気がする。
でもそんな事よりテレビも無いくらいの貧乏状態だったのかこの子は……。
「それで、私自分の名前にコンプレックスが凄くて……だから子供の頃に違う名前を考えましたわ。これが本当の私の名前だって……そう思い込むために」
なんだか話がちょっとだけ重たくなってきた気がする。もしかしたら貧乏な状態になった自分と本来の自分っていうのを別で考えたくなったのかもしれない。
「でも好きなアニメとかから名前を拝借していくと、好きな作品が増えるたびに名前も増えてしまって……」
……ただの中二病オタクだった。
もっと深くて暗い理由かと思ってたけど心配して損したよ。
「へぇ。まぁ私としてはアニメから取ったんだって事だけ分かれば充分なんだけどな。理由さえ分かればその名前を否定する気はないよ。これからも宜しくねキャロ」
「……っ! はいですわっ♪ この八雲・キャロライン・オリヴィア・シャルロット・天音、お二人の為に出来る限り力になる事をお約束しますわ☆」
「キャロちゃんありがとう。私からもよろしくね♪ 声かけたのがキャロちゃんで良かったよ」
私が今後もダンジョン攻略をがんばるためには必要な人材だ。いろんな意味で。
「お二人とも……私今感動で涙がちょちょぎれそうですわ……」
そうか、それはちょっと何言ってるのかよく分からないけどよろしくね。
今回はキャロちゃんの名前の秘密回でした。
これはきっと想像通りのやつだったのでは?(笑)






