エキシビジョンぶっころJK。
私は再びバールを振り回して威嚇しながら距離を詰める。
私のバールが届く距離までいくと、今度はあいつも棍棒を振り回してくるのでまるで真剣同士のチャンバラみたいにがきんがきん打ち合いが始まる。
ピンクデブもかなり力が強いけど、私の【怪力】には敵わねーだろー! 覚悟しろー!
何度も何度も打ち合いを続けるうちに、奴の棍棒がどんどん小さくなっていく。
私が打ち込むたびにほんの少しだけ、見えない程度の炎を出し続けていた事により棍棒の表面が炭化して脆くなっていたんだ。
「どっりゃーっ! 棍棒がなんぼのもんじゃーいっ!」
ばぎごんっ!
やがて棍棒が根本からへし折れて、破片がくるくると宙を舞う。
ピンクデブは反射的にそのくるくる飛んで行く破片を目で追ってしまった。
「すきありーっ!! ぶっころ!!」
私が振り下ろした大虐殺バールは確実に奴の頭蓋骨をとらえ、そしてそのまま骨を砕きつつ身体を真っ二つにした。
「はぁ……はぁ……どーじゃいこんにゃろーっ!」
「お嬢凄いですわ! ファンタスティックでエキサイティングなエキシビジョンマッチでしたわ♪」
エキシビジョンマッチではない。
「しかし……やったじゃないかお嬢」
「えへへー♪ ありがと。あっ、そうだドロップあるかな!?」
慌ててピンクデブの死骸をもう一度確認すると、宝箱がドロップしていた。
こういうケースもあるのか……。ちなみに、宝箱の色は青。
これは期待できるかもしれない!
【ファンネルナイフ】
レア度:★★
攻撃力:45
属性:雷
追加効果:稀に麻痺させる
耐性:‐
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ナイフ使いの男は嘆いていた。剣士は間合いが広い。魔法使いは遠距離攻撃が出来る。そして格闘家は事もあろうに衝撃波を飛ばした。
こんな事では自分に出番が回ってこない。そう思い彼は修行に明け暮れた。
そして投げナイフを習得。百発百中のその技は、彼に遠距離攻撃という強みを与えたのだが……。
実戦で試してみてすぐにその欠点に気付く。
ナイフは有限なのだ。投げたら返ってこない。
勿論戦闘が終わってから引き抜きに行けば回収は出来る。
だがパーティメンバー達はその時間、とても面倒な物を見るような視線を送ってくる。
ナイフ使いは泣いた。泣いて泣いて、そして気付いてしまった。
科学だ。こうなったら科学で全て解決するのが一番だ、と。
そして高名な科学者であるシラガゲンナリに大金を積み、力を手に入れた。
彼が手に入れたファンネルナイフは、彼の思念を読み取り自由自在に空を飛び回る。
確実に狙った相手を追尾、突き刺さり電撃を放つ。
そして、手元に帰ってくる。ナイフに付いた血は、刀身が放つ微振動により空中で振り落とされ切れ味が落ちる事も無い。
◆◆◆◆◆◆◆◆
なっが!
相変わらずっていうか今まで以上になっが!
「なんだか怖い武器ですわね……」
覗き込んできたキャロちゃんが青くなってる。
でも私はそれ以上に気になる事があった。
キャロちゃんの背後で、今にも狂いそうなほどの笑顔をしている彼女だ。
アーニャがついに武器を手に入れてしまった。
たとえ作った人がシラガゲンナリなんてふざけた名前だとしても、これは脅威だ。
ついにアーニャが武器を手にしてしまいます。
遠距離複数操作系の凶悪武器をヤバい少女が使うとなると恐ろしいですが、きっと分別はあるはずなので……。あるはず、なので……。






