秘密を語るJK。
私はガタガタ震えてるキャロちゃんの頭を軽く撫でてあげながらいろんな事を語った。
祖父はヤクザの大親分ってやつで、とても厳しい人だった。
父親はそんな祖父と仲が悪く家を出ていき、祖父はそれを許す代わりに私をここに置いて行けと条件をだした。
母親は最後まで抵抗したけれど、身体が弱かった事もあって入院したのをきっかけに父親は母親を一番に考えこの家を出た。
私が心を無くしたのはその頃だったと思う。
祖父は私をとにかく厳しく育てた。
私はそれに従うしかなかったし、逆らえば身体に痣が増えるだけだと気付いた頃から考える事を辞めて言う事を聞くだけの機械になった。
私が中学生になる頃祖父が他界し、百鬼ノ城組は事実上解散。若頭だった人が新しく組を立ち上げたとかなんとからしいけどもう私にはなんの関係も無い。
私はこの家で一人ぼっちになった。
そして、この家に父が返ってくる。
母を失って……。病気で、ずっと入院してたらしいけど結局よくならなくて死んじゃったんだってさ。
で、この家で父親と二人暮らしが始まったんだけど父は私の変わり様にとても驚いて、悲しんでいた。
あの頃の私は父からの命令を待つ日々を過ごした。
勿論優しい父は命令なんてしない。したいように生きろと言うが、それは命令ですか? と聞くと無言で涙を流す。
命令してくれないなんて、面倒な人だなぁと思ったりもした。
私にはその方が楽だったのに。自分の意思や感情なんてもう無くなっちゃってたのに。
だけど、父はそんな私を心配して友達を用意した。
それが入間鬼太郎。彼の父親は祖父の部下の中でも私の父とも親交が深かった。
それでうちの父親が頼み込んでイル君がうちに出入りするようになる。
イル君は若頭が立ち上げた組で下っ端をやりながら、私の家にきてよくいろんな話をしてくれた。
最初は面倒な事になったなと思っていたけれど、意外と彼の話は面白くて、少しずつだけど私は人らしくなってきた。
そして、イル君はある日腹違いの妹、比嘉愛菜を家に連れてきた。
アーニャは私と同い年で、イル君が言うには自分と関わると不幸になるから私の家に住まわせてやってほしい。そう言った。
アーニャはイル君に言われて私の世話係をする事になる。
私は、同い年の女子だし友達になれたらいいなって考えるようになっていた。
感情が豊かになったのもイル君のおかげだったんだろうけれど……あの頃のアーニャは、以前の私みたいに心を閉ざしていて、ただ毎日淡々と私の世話をこなした。
なんだか放っておけないと思った。
私と同じように無表情で、機械的に生きている彼女を……。
そして、私はアーニャと仲良くなりたくて、彼女を楽にさせてあげたくて……そんな事を考えて生きるうちに気が付けばいろんな感情で満たされていた。
やっときちんとした人間になれた気がした。
でも彼女はいつまでたっても……。
私が話しかけても、心にもないお世辞を言うだけ。
「私などに話しかけてはお嬢様の口が穢れてしまいます……」
そんなような事を無表情で言うような子だった。
そんな事欠片も思っていない事は見ていたらすぐに分かるんだけれど、御厄介になるんだから誠意を見せろとイル君から言われていたらしくアーニャはひたすらそれに従った。
自分を押し殺して。
感情をすり潰して。
今では想像もつかないですが以前のアーニャは無口で感情を表に出さずただ言われた事をこなすだけの少女人形でした。
二人とも、それぞれ別の方向に歪んでいました。






