十八禁超人JK。
キャロちゃんが一歩前に出ると、あからさまに猪の様子がおかしくなる。
分かりやすく言うなら目がハート、的な?
多分だけど知能が低そうなモンスターほど簡単に魅了にかかっちゃうんだろうなぁ。
今までの、怒ってるっぽい挙動から、なんというか大好きな女子を押し倒してやるぜみたいな雰囲気に変わった感じ。
大丈夫かなこれ……。
いきなり十八禁的な展開はちょっと勘弁だけど……さすがにそうなる前にアーニャが帰還の石を使ってくれるだろう。
「ぶごぉぉぉっ!! ぶごっ! ぶごっ!」
「なんかめちゃくちゃ興奮なさってるんですが!!」
「キャロが可愛いからだろ。モンスターまで魅了するなんて凄いな」
「なんと……! わたくしの美しさは種族すらも超えてしまうのですわね……」
「ぶごおぉぉぉっ!」
「うわぁっ!」
キャロちゃん目掛けて突進してきたのを、まるで跳び箱を飛ぶような感じでぴょんと飛び越える。
そのまま後ろにいた私達の所に突っ込んできたので左右に分かれてかわすと、猪はくるりとターンして私達には目もくれずキャロちゃんへ再び突進。
こりゃ本当に魅了ががっつり効いてるなぁ。
アーニャと一緒に解説書で猪を見てみる。
【うりうり暴君】
レベル:3
属性:無し
耐性:水
弱点:火
◆◆◆◆◆◆◆◆
うり坊、というのをご存知だろうか? 猪の子供の事をうり坊と言うのだが、この種類のモンスターは猪型で、かつ幼い頃はとても可愛らしいのでうりうり坊という名を付けられた。
だが、身体が成長すると狂暴さを増加させつつ知能だけはお子様脳で、やりたい放題の暴君と化す事からいつの間にかうりうり暴君と呼ばれるようになった。
水に耐性はあるが火にはとても弱い。
◆◆◆◆◆◆◆◆
うーん。うりうり暴君? いつも思うんだけどこのモンスター達の名前って誰が付けてるの?
この解説は誰が書いたものなの?
細かい事考えたら負けなのかな……。
「キャロ! いつまでも遊んでないで格闘の才能を見せてみろ!」
アーニャがキャロちゃんをどんどん追い込んでいく。
その声を聞いてビクっとなった彼女は、覚悟を決めたらしく、向かってくるうりうり暴君に対し姿勢を低くして迎え撃つ。
「お、あいつアレやる気だぞ」
アーニャが楽しそうな声でそう言う所を見ると、どうやら超人化を使うようだ。
でもなんでそんな事が分かるの?
キャロちゃんの事ならお見通し?
嫉妬するぞこんにゃろう。
「ぶごごっ!」
突進してきたうりうり……猪の頭に片手で手をついて、まるで体操選手のようにクルクルと空中を舞う。
最初の跳び箱避けとは大違いだ。
スタッと地面に着地すると、キャロちゃんの姿が消えた。
超人化状態で神風のミニスカートの効果を使ったら私達にはまったく視認できない。
少なくともアーニャには見えていないだろう。
私は、神経を集中させた。
「どっせいですわーっ!!」
ぶぼんっ!
「ぎゃぁぁぁーっ!!」
そして、悲鳴をあげたのは、猪じゃなくてキャロちゃんの方だった。
三秒間超人の運命やいかに!(笑)






