新たなおもちゃを手に入れるJK。
「……で、仲間になる? ならない?」
肩で息をしながら床にへたり込むキャロちゃんに対し、鬼で悪魔で人でなしアーニャが追い打ちをかける。
「はぁ……はぁ……あ、あんな危ないとこ、行くわけないでしょう? このわたくしを甘く見ないで頂きたいのですわっ!」
「そっか。かなり儲かるのにもったいないな」
……ん? ニヤニヤとしながらアーニャが別角度から攻め始めた。
儲け話なんてお嬢様には意味ないんじゃ……?
「もう、かる? 本当ですの?」
「あぁ。勿論儲かるよ。君は知らないのかもしれないけどな、ダンジョン内で拾ってきた物を売るだけでかなり稼げるぞ」
「……」
あれ? なんだか真剣に悩みだした。もしかして意外とお金に困ってるのかな?
それともお小遣いで賄いきれない程の欲しい物が有るって事?
「まだ結論出せないのか? 仕方ない。これは完全に脅しだから言いたくは無かったんだが、仲間になる気がないなら私は君の本名を学校中に広めるぞ」
キャロちゃんがビクっとしてアーニャを恐る恐る見つめる。
どうやらもう視力はある程度回復したらしい。
「ほ、本名……? なんの話かわたくしまったくもってこれっぽちも意味がお分かりになりませんですわ」
「トメ」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
キャロちゃんは先ほどよりも更に涙を加速させ、耳を塞いでガクブルしてる。
あの名札って、てっきり家族のお古か何かだと思ったんだけど……まさかそれが本名なの?
アーニャは蹲ってるキャロちゃんに近付いて、耳を塞いでる手に唇を近づけると、「ト・メ・ちゃん♪」と囁いた。
あの距離なら手で耳を塞いだところで聞こえるだろう。
「な、なんでもする! 何でもするからその名前は忘れてっ!!」
「だからそれは君次第だよトメちゃん」
「その名前でお呼びにならないで下さいまし……分かりました。分かりましたからぁ許してけろ……」
顔を手で覆って泣き続ける彼女を見ると多少申し訳ない気持ちになったりもするけれど、そんな事よりアーニャの容赦ない鬼で悪魔で人でなしな所が素敵過ぎた。
トメちゃん……じゃなくて、キャロちゃんは私からしたら萌え要素の塊だしいいちちしてるしツッコミどころ満載だしとても癒されるんだけど、アーニャからしたらおもちゃなんだと思う。
いろんな機能を満載した新しいおもちゃ。
こりゃこれから毎日楽しくなりそうだぜー。
完全におもちゃにされるキャロですが、彼女はこの先もなんだかんだとひどい目にあいつつ、それでも自分の意志で進んでいきます☆
これからはJK3人組になりますので見守っていただけたらと思います(* ॑꒳ ॑*)
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