終わりへ向かうJK。
「ゆゆ、君は今幸せ?」
「何その質問。幸せに決まってるじゃん」
「……そう、とてもそうは見えないけどね」
「お嬢も私を止めようとする? だったら……」
やるしかない。
ゆゆは止めないと、きっと沢山の人が不幸になる。責任を果たさないと……。
「ゆゆ、やめて……」
「どうして? もちゃまで私を止めようとするの? さすがにもちゃは殺したくないよ」
……もちゃがゆっくりとゆゆの前まで歩いていく。
私はその間にアーニャを少し離れた場所に寝かせて、無事な皆に避難してもらった。
「ゆゆ、こんな事やめようよ。どうしちゃったの……?」
「どうしたもこうしたもないよ。私はいつだって私のしたいように生きてるだけ。もちゃは私についてきてくれないの?」
……今のゆゆを説得できる人が居るとしたらもちゃだけだろう。
「ゆゆは……満足のいく死を迎えたいんじゃなかったの?」
「……そうだよ。でもそれはもう無理」
「だからって他の人達が不本意な死に方をするのはいいの?」
「だって私じゃないし関係ないもん。それとも何? もちゃが私を殺してくれるの? ほら、出来るなら早く殺してよ」
「……無理、だよ」
「ほら、どうせ誰にも私は殺せないんだから生きるしかないんだよ。だったらやりたいように生きなきゃ頭がおかしくなっちゃうよ」
既におかしくなってるだろうが……とは言えない。
「違うよ。ボクがゆゆを殺せないのは……ゆゆに生きていてほしいからだよ」
「そうじゃなきゃ殺せるっていうの? もちゃは最初私の事殺してくれるって言ってたのに……そんな言葉聞きたくなかった」
「違う、確かに今のゆゆは死ねないのかもしれない……だけど、殺せたとしてもボクはゆゆと一緒に居たいから、だから死んでほしくないんだ」
「……嘘つき。私を殺してくれないもちゃなんて……要らない」
ぱしん!
私はもちゃが死んだと思った。
容赦なく、ゆゆが殺してしまったと……。
でも、ゆゆはただもちゃを平手打ちしただけ。
それでもかなりの威力があったみたいでもちゃがゴロゴロと転がる。
避けようともしなかったし、立ち上がる気力ももうなさそうだ。
彼女でもダメだったらもう仕方ない。
「もちゃ、言っておくけど私は反対だから」
「そう、じゃあお嬢も殺しちゃうね?」
目の前からゆゆが消える。
私は既にスロウを発動していたので、限りなくゆっくりになった世界の中で背後を振り返りながら飛びのく。
すでにゆゆは私の背後で腕を振り下ろそうとしていた。
手の周辺の空間が歪んでいる。
いや、ゆゆの身体全体をぼやっとした何かが包んでいる。
きっと触れようとしただけで持っていかれる。
私に彼女を倒す術はない。
ゆっくり彼女がその手を振り下ろし、数メートル先までの空間がぼっかりと空洞になった。
効果範囲広すぎでしょ……!
戦っても殺されるだけだ。
こうなったら、一か八かに賭けるしかない。
「ゆゆ、私がゆゆの事……殺してあげようか?」
この状態のゆゆをお嬢はどうするつもりなのでしょうか?
完結間近です!






