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敗北したJK。


 もちゃは既に復活させられているが、私達の元へ帰ってきたゆゆはまだひからびていて、しゅうしゅうと湯気をあげながら体が修復されていく最中だった。



 正直かなりキツい。

 人体の焼け焦げた匂い。


 私は蘇生薬を使おうと取り出したけれど、一応この状態がこの子の場合死んだ事にならないのを思い出し回復薬を手に取った。


「やめてあげて」


 背後からもちゃが私を制止してきたので、何故なのか問うと、


「ゆゆは……誰かに助けられるのは嫌だと思うから。自然に治るのを待ってあげて」


 ……そんなものなんだろうか?

 よく分からない。もう少し回復して意識が戻ればただ辛く苦しいだけだと思うけど……。


 皆に見守られる事十分ほど。


「……負けちゃったの?」


「ごめん、私じゃダメだったみたい」


「ううん、もちゃは期待以上だった。負けたのは、私のせい」


 ゆゆはとてもがっかりした顔をしていたので、「気にしないで。まだ同点だから」と声をかけるが、「そうじゃない」って言われた。


 何がそうじゃないのかよくわからない。


「……ここまでやられてもやっぱり死ねないんだね。なのに勝てもしなかったなんて私の存在意義が消失した」


 私に背を向けてもちゃにそんな愚痴を漏らす。



 この子はまだそんな事を悩んでいたのか。

 死にたくても死ねないから、死ねないなら頂点を目指す、みたいなよく分からない思考回路だったのは知ってたけど……。


 もしかして、この子って知らないのか?


 ……私が気付いた事をゆゆに言おうかどうしようか迷っていると、あちらも完全に回復した朱雀が声をかけてきた。


「いやはや想像以上に楽しい時間じゃった。これで二対二なわけじゃが……」


「これは最終的にどうやって決着付ける? まさか引き分けで終了なんて言わないだろう?」


 マスターが朱雀に詰め寄ると、彼はすっと身をかわして笑う。


「ほっほっほ。お主も不完全燃焼じゃろうしチャンスをやろう。最終戦じゃ。ここに居る全員入り乱れてバトルロイヤルといこうではないか」


「っ!? おいおいあんたら全員揃ってるのをどうにかしろっていうのか?」


「その通りじゃ。最後にチャンスを与えてやろうというのじゃからありがたいと思わんか」



 ……全員入り乱れての混戦、か……。

 私とゆゆが戦場を駆け回ってアーニャが合成魔法でぶっ飛ばしつつキャロちゃんに確実に一体始末してもらって……。


 上手くやればなんとかなるかもしれないけど、私達は全員で連携なんてした事がないし混戦になればなるほどアーニャの魔法やハム子の銃撃は使いにくくなる。


 結局のところ私とゆゆがメインでどうにかするしか……。


 これは厳しい戦いになるなぁ。


次回より最終戦が始まりますが……。

大変な事がおきようとしています。

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