柔らかさを堪能するJK。
私の一撃は青龍の顔面を打ち抜き、そしてその身体を粉々にした。
威力に驚く。
きっとアーニャとねくろのみこの合成強化魔法がいい結果を生んでくれているのは間違い無いんだけど、それだけじゃない。
この拳と右足から特別な力を感じる。
私が青龍の足を齧ったからかな。
とっさに青龍食べちゃったけど、どうして私は以前も今回も食べる事で力に変える事が出来たんだろう?
やっぱり神様の血っていうのはそれだけ力に溢れている物なのかな?
だとしたら本当に私はもう人間を辞めてしまったのかもしれない。
「アーニャ、ありがとうね。お疲れ様」
「お嬢……私達、やったんだな。あの青龍に……」
アーニャがフラっと私の方に倒れ込んできたのでそれを優しく受け止める。
もう少しで鱗の生えた手で受け止めちゃう所だったけどそれはギリギリで回避してもう片方で受け止めた。
やっぱりこんな変な事になっちゃった部分でアーニャを受け止めたくなかったし、抱きしめたくなかった。
私はもうアーニャとは違う物かもしれないから。
でもよく考えたら初めて青龍と戦った時、あの時私は青龍の血が口に入って、スロウの中である程度動き回れるようになった。
ずっと不思議だったけれど私の身体が神様達のように作り替えられていって、人間離れした事が出来るようになっていったんだろう。
そして今回の青龍の足。完全にかみついて食べちゃったからこんな事になっちゃった。
でもこんな危ない手でアーニャを抱きしめられない。
これからどうすっかなぁこの手足……。
アーニャの身体を普通の方の腕でぎゅっと抱きしめる。
彼女の身体はとても暖かく、そして……私の首筋に生暖かい物が触れた。
「アーニャ……?」
「……」
どうやらアーニャは私に体重を預けて意識を失ってしまっているらしい。
寝てるだけなのか、意識がなくなったのか分からないけれど、どちらにしても命に関わるような事じゃなきゃ大丈夫。
その艶やかでサラサラした髪を撫でながら、私はナビ子を呼んだ。
「おいサボるな! いい加減アナウンスしたらどうだ?」
「ご、ごめんなさい! 第三試合、お嬢達の勝利です!!」
「間違いない? やっぱりまだ継続でしたとか言われたら私ナビ子の事……」
「ひ、ひぃっ!! 大丈夫ですちゃんと勝負ついてます! これから青龍様を復元していきますから! 完全にお嬢達の勝利です! 今私が断言します!」
いつになくナビ子が早口でまくし立てる。私の報復が怖いんだろう。
というか復元ってどうやってたんだろう? ガメラの時も気が付いたら元に戻ってたし。
立体映像のナビ子がリング中央に現れ、何か粉のような物をリングに撒いた。
それが青龍の肉片に触れるとぺかっと薄く発光して、じわじわと再生しながら一か所に集まっていく。
きっも。
ここで私、ある事に気が付いた。
手と足から、鱗が消えている。
不思議に思ったけれど、自由に操作出来るようになるのかもしれない。
ともかくとして、両手がフリーになった私はアーニャの身体を再び強く強く抱きしめた。
あー、さいっこう。やわらけー!
青龍との因縁もこれで一区切りです! 思ったよりも戦闘後の話が長くなってしまいましたが、次回こそはVS朱雀となります♪






