宿敵をぶん殴るJK。
「おっさん、今楽しい?」
「あぁ、楽しいとも。最高の気分だ」
あっそ、そりゃよかった。
「お前も、楽しくて仕方ないって顔をしているぞ」
「これからおっさんをボコボコにするって考えると自然と顔がニヤケちゃうね」
「ふん、やれるものならやってみろ!」
私一人で出来なくても……! アーニャと一緒なら出来る!!
私は青龍の元へ走り、スロウを発動。その瞬間アーニャが叫ぶ。
「ダークネスブラインド!」
「むっ!?」
私の動きにカウンターを合わせて来た青龍の頭が黒いもやに包まれる。
以前使ってたハードグラサンとかいうやつの強力版だろう。名前がカッコ良くなってるし。
頭全体が黒いもやに包まれていて、きっと青龍は気配だけでも対応できるからあまり意味は無いんだけれど、少しでも怯んだその一瞬が私にとっては貴重な一瞬だ。
アーニャが作ってくれた一瞬を無駄にしない為にも少しくらい無理しなきゃね。
青龍が何も見えてないくせに感覚だけでそれっぽい所にあのレーザーみたいなのを撃ってきたけど無視して懐に飛び込む。
ギリギリかわしたけどほっぺたの皮膚が抉れた。
そして先程青龍が自ら修復した脇腹の隣、お腹のど真ん中をぶん殴る。
「ごふっ!!」
青龍が派手に血を吹き、「ふんっ!」という掛け声と共に一瞬で穴が塞がる。そしてあの青く光る鱗へと変わっていく。
「やっぱ便利だなぁそれ。しかも強度かなりあがってるね」
「ふぅ……これのマイナス点があるとしたら修復された場所が全てこの質感に代わってしまうという事だ……」
青龍が復活したばかりのお腹を一撫でして、私の事を睨む。
「じゃあ全身ぶん殴ってればそのうち鱗だらけの本当の姿みたいになるわけ?」
「……なる。あの外見は好きではないが、このまま一線を越えてしまえば理性すら怪しくなってくる」
「理性……? 白虎や玄武はあの身体でもちゃんと自分を保ってるのにおっさんは無理なの?」
「痛い所をつきおって……しかし、それは本当の姿、どのような存在であったか、というのは影響が大きいのだ。儂は怒りに任せて国を破壊するような本能の塊であった」
そう語る青龍は少し伏し目がちで切なそうな雰囲気を醸し出した。
思い出に浸るのもいいけど目の前を見てもらわなきゃね!
どうせだからあちこち穴だらけにして生命エネルギーとかいうのを枯渇させてやるんだから。
それくらい気持ちを強く持っていれば絶対勝てる! 今だってこちらが優勢なんだから。
一瞬でも気を抜けば危ないけれど、このまま集中を途切れさせなければ……行ける!
この後青龍の逆鱗に触れたあげくダイエットに協力してあげて結果にコミットします(?)
適当にまとめるとこんな感じ、きっと嘘は言ってない♪






