反撃開始のJK。
やっぱりあれで倒せる程甘くは無いって事だろう。
直撃の瞬間玄武は頭を引っ込めて致命傷を避けた。
そしてほんとにガメラみたいに甲羅の周りから火を噴いてぐるぐる回転して飛び回る。
そのまま体当たりしてくるんだからたまんないよね。
カナは悲鳴をあげて逃げ回り、キャロちゃんはスピード的に攻撃を喰らう事は無かったけど、どこを攻撃していいか分からず困っているようだ。
「ひぇぇぇぇっ!! やっぱり神様強烈ですーっ!!」
カナが逃げ回りながらも腕を槍のように尖らせ、自由自在に伸び縮みさせながら攻撃を繰り出していく。
勿論その全てが甲羅に弾かれているので効いてる気配はないし、たまに炎に焼かれて「あづいーっ!!」と叫び散らしている。
「まったく……もうちょっとがんばれ」
そんなカナの様子を見てゆゆがぼそりと呟き、腕組みした指が一本パタパタと動いている。
今回の勝負の行方が今後の流れに大きく作用するから神経質になっているのかもしれない。
ついこの前までダンジョンの奥に引きこもっていたっていうカナが今では神と戦っているのだから恐ろしい話だ。
私達がダンジョン潜り始めた頃に神と戦いになんてなったらとっくに死んでるだろう。
「ふははは! どうした? 手も足も出んではないか!」
玄武が空を飛び回りながら叫ぶ。手も足も出て無いのはお前だけどなぁ。
カナがバランスを崩し、玄武の体当たりがヒットしそうになるが間一髪キャロちゃんがカナを抱きかかえてその場を離脱する。
何かひそひそ話をしているようなので作戦を立てているのかも。
ああ見えてキャロちゃんは頭がいいからもしかしたらやってくれるかもしれない。
「打ち合わせ通りにお願いしますわっ!」
「りょ、了解ですーっ!!」
「何か打開策が思いついたか? 面白い! 楽しませてくれよ!」
ガメラが再びカナに狙いを定めて突っ込んで来た所で、両者の間にキャロちゃんが割り込む。
「行きますわよっ! 百列旋風サイクロンアッパーッ!!」
キャロちゃんの高速移動で、その姿が分身したかのように見え、それぞれがガメ……玄武に向かって攻撃。凄まじい勢いの竜巻が大量に発生し、複数の竜巻に囲まれた玄武は勢いよく上空へ吹き飛ばされていく。
それぞれ隣接する竜巻が逆回転になっていて、次第に竜巻の間隔が狭まっていった。
挟まれた玄武がバリバリバリ!! という音と共に甲羅を切り刻まれていく。
すっげーっ! あんなのに取り囲まれたらゆゆでも無い限り抜け出せないだろ……。
風圧で炎は消え、もはや玄武は殻に閉じこもって耐えるしかない状態だった。
「カナさん、頼みましたわよ!」
ここからまだ更に追撃があるらしい。
私も、気が付けばこの戦いを食い入るように見つめていた。
やっぱりキャロちゃんの戦いには華がある。
今だって竜巻でもともと短いスカートがもう大変な事になってる上に分身してるからなんていうかすごい。
次回ガメラ……じゃなくて玄武戦決着!






