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地獄を乗り越えるJK。


 地獄。

 それからの毎日は完全に地獄だった。


 私はまだいい。能力的には完成してるからとそこまで特殊な訓練をしたわけじゃないから。



 ゆゆはそれこそ毎日ぐっちゃぐちゃになってた。

 本人は、強くなったつもりだったのにって物凄く悔しそうにしてたけど、あれでメンタルが全く擦り減らないのがすごいなと思った。


 マスター曰く、私のように時間の流れ自体に作用する能力への対処は難しいけれど瞬間移動系の力に対してはどうにでもやりようがある、のだそうだ。


 例えば現れる場所を予測する、あるいは超感覚で現れてから、攻撃を受ける前に先に反応をして、避けるなり返り討ちにするなり。などなど。


 だからゆゆの方が私よりも簡単に対策されてしまうので不意打ちが通用しない正面切っての戦いだと神様達に勝つのは難しいだろうとの事。


 だから、それ以外の戦い方も身体に叩きこんで、臨機応変に織り交ぜて行けるようにするための訓練が始まっていた。


 マスターはそれぞれに必要だと判断したら才能の種も分け与えていたけれど、無用な才能を新たにゲットしてそれを実践に使えるところまで持っていくのは難しいと判断し、どうしても必要な場合にのみ使用していた。


 ゆゆもその一人。

 私はと言えば、能力方面はもういいからと武器を与えられてそれを使いこなす為に必死に訓練している状態。

 今から実践に使えるようにするのは難しいって言ってなかった?


 でもマスターは言った。「君はなんとかできると信じてるから、何とかしろ」って。無茶な事を言う人だ。


 ハム子は力の使い方、立ち回り方を中心に訓練。

 イル君は与えられた才能と武器をとりあえず満足に使えるように。

 彼はダンジョンでの戦いについては経験が少ないからなぁ。


 で、カナは力の正しい使い方と応用方法。


 もちゃは新しい才能の使用法と有効的な使い方など。


 アーニャはなんだか新しい戦い方のヒントをもらったらしくずっと一人で何かやってる。



 マスターのおかげで私達は明らかにレベルアップしていると思う。

 そんな日常を続ける事十二日間。


 そしてあっと言う間に十三日目。

 明日がいよいよ戦いの当日だという事で、マスターが今日は一日ゆっくり休むようにと自由な時間をくれた。


 別に回復薬があれば体調は戻るんだから訓練したっていいと思うんだけど、どっちかというと精神安定の為、なのかもしれない。


 そして、万が一にも今日が最後の一日になる可能性があるのなら私は後悔したくない。


 というわけで本日、自由時間に私がやる事は決まっている。


 アーニャと思い切りイチャついてこよう。

 それがいい。


次回から四神戦スタートです♪

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