第三のJK。
「特別って……?」
他のダンジョンと何かが違うという事なんだろうけど……。
「国がダンジョンのアイテムの事とか、情報募集しているのは知ってるよな?」
まぁ、そりゃ常識だし、それは今までもあった制度だ。
今回マスターが変わったとかでその情報もいろいろ新しいのが期待できるって話だったけど……。
「確かに新しい情報、宝箱の中身、そういうのはいろいろ国が発表してるんだよ。だけどな、宝箱の色や中身のレア度の違い、そして才能システムの事なんて一切情報が無いんだ」
それが本当ならえらいこっちゃ。
だってどこにも出てない情報を、しかもあんな特殊な物を私達だけが知ってる。
この情報を提供したら……。
「この情報を提供したら大金持ちだなと思うだろう? 実際私もそう思ったさ。でもな、ダンジョンに潜ってる連中は世界中に沢山いる。それなのに未だ一切情報が無いなんて事がある筈ないんだ。あんたんちのダンジョンには絶対なにかある」
何かあるって言われてもなぁ……。
それで秘密を私達だけのものにしておくより大金持ちになった方が楽しく生きれるんじゃないの?
なんて考えはアーニャには無縁だったみたい。
だって、「たまんねぇよな?」って呟きながらすっごく悪い顔してた。
つまり、最高の笑顔をしていた。
だったら私が異論を唱えるわけには行かない。
私はいつだってアーニャファーストなんだから。
結局の所、私達は数日間新たなメンバー探しに奔走するのだが、一週間ほどたった頃、唐突に新メンバーが決まった。
「初めまして。わたくし八雲・キャロライン・オリヴィア・シャルロット・天音ですわ。庶民の皆様、どうかこのわたくしを褒め称えつつ出来る限り身の程をおわきまえになって下さいませ。ちなみにタイムトラベラー、別世界線人、転生者が居たらわたくしの所においでなさい。以上っ! ……ふふっ、完璧に決まりましたわ……」
「おいおいなんかとんでもねぇのが来たぞ」
転校生のぶっとび挨拶に対してアーニャのありがたい一言目がこれである。
「アーニャああいうの嫌いでしょ?」
「いや、嫌いじゃない。むしろ好きだぞ」
なんだって? 初見でアーニャに好きって言われるとかどんだけの逸材だよあいつ。
私は転校生、八雲きゃろなんとかの恐ろしさに戦慄するのだった。
「あー。なんだ? 君はそういうキャラで通すつもりなのか?」
八雲きゃろなんとかさんの隣で呆然としていた担任教師のしまちゃんが、冷めた声で彼女に確認を取る。
「キャラとか言うのおやめになってお下さいませ。わたくしは心に刻まれた真名で生きておりますの。これが真の名前ですわ」
「ヤバいぞあいつ……」
アーニャがさらに興味を持ち始めた!?
「もういいから早く席につけ。席は百鬼ノ城の後ろだ」
ちなみに、教室で私は真ん中列一番後ろ。隣にアーニャ。私の列だけ一人分少ないので、この後ろなのは妥当な位置である。予備の机と椅子が私の後ろに用意されていたので転校生がこの席になるのは分かっていたけど……これはくせ者だぞ……。
私の横をしゃなりしゃなりと通り過ぎた彼女を観察すると、肩から掛けたカバンに小さな名札がついており、そこに【八雲 トメ】と書いてあった。
アーニャも気付いたらしく、目を輝かせて私にこう言った。
「こいつはとんでもない逸材だぞ!」
ついに三人目のJKが現れました☆
かなり尖った人物ですがこれからどう絡んで来るのかを楽しみにしてもらえたら嬉しいです(* ॑꒳ ॑*)
面白かった、期待できると思って頂けましたらブクマしていってやって下さいませ☆
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