トンデモアイテムに驚くJK。
私達はとりあえず先へ進んでいるんだけど、どうにも後ろの連中が静かというか不安そうというか、辛気臭くてたまらない。
「ねぇ、私は全然平気だしいつも通りだからさ、そんなお通夜みたいな顔やめてよ」
「あ、あぁ……そうなんだが……ゆゆがどこか様子がおかしいのは間違いないぞ?」
アーニャは顔をしかめながら反論してくる。
そこは「そっかごめんごめん」の一言で済ませるべき場所じゃないのかな?
「ちょっとーみんな感じ悪くない? さっきはちょっと興奮しちゃってたけどさぁ。もう落ち着いたってば」
「そ、そうですわよね? さっきはびっくりしましたわ」
キャロは結構素直で好感が持てる。
アーニャは未だに訝しんでるみたいだけど。
「まぁいいけどさ、ほんと無茶だけはしないでよー?」
お嬢が少しだけ表情を柔らかくして私に注意してきた。
安心した振りをしてる。絶対そう。
一番油断できないのお嬢だから。
私のいう事を簡単に信じたりしないだろう。
「で、これどうやって渡る?」
フロアの中に断崖絶壁が現れてそれ以上進めなくなってしまった。
「私が超人化使えばみんなを担いで飛べるとは思いますけれど……」
「ダメだ。キャロはアレやると当分動けないからこんな所で使う訳にいかない」
キャロはダメ、アーニャも特に策は無いみたい。
「とりあえず私は移動で向こう側に行けるけど……先に様子見てこようか?」
「いや、今一人にするのは不安だから……これを使おっか」
私だけでも先を見てこようとしたのにお嬢に止められてしまった。
でも何か方法があるみたい。
「てれれれってれー♪ にょーいーきゃーたーつー♪」
お嬢がどこかの未来からきたロボットみたいな声を出してポケットの中から何かを取り出した。……如意脚立?
「なにそれ?」
「聞いて驚け見て笑え! これぞシラガゲンナリが作ったどこまでも伸びる脚立だよっ!」
……みんな苦笑い。
そもそもシラガゲンナリって誰よ……。
お嬢が取り出した脚立を向こう岸に向けると、ぐんぐん伸びて本当に橋を架けてしまった。
「……すっご」
私は思わず感心する。ダンジョンってやっぱり妙なアイテム沢山あるんだね。
私のダンジョンには変わったアイテムみたいなのあまり見かけないけど……。
固有ダンジョンにはその人の特色が色濃く出るんだっけ。
「これ誰のダンジョンで手に入れたの?」
「ん? アーニャのだけど?」
……ちょっと意外。
てっきりお嬢だと思ってた。
でも、確かアーニャってダンジョン攻略にとっても固執してたタイプだったんだよね?
それだったら意外と夢見がちな女の子だったのかも。
「何笑ってんだよ」
「べっつにー」
あぶないあぶない。
手に入れたっきり使う機会のなかったアイテムがやっと役に立ちました(笑)






