スライム相手にイキるJK。
「スライムって最弱モンスターでしょ? 私達でも倒せるんじゃない?」
「そうか。じゃああんた行って戦ってこいよ」
「なんで私だけ!?」
「馬鹿だな。万が一あんたが死んだら私が帰還の石使わなきゃならないだろ? 二人で行って二人ともやられたらおしまいだぞ」
そっか……。それもそうだよね。
でも馬鹿って言ったのは許さん!
このフラストレーションをスライムにぶつけてくれるわ!
「おうおうそこのスライム野郎! 私が来たからには生きて帰れると思うなよ!」
「ここがあいつの住まいなんだろうから帰るも糞もないだろ」
背後からアーニャが私のセリフに突っ込みを入れてくる。
「今大事なとこだから黙ってて! ……おほん! 気を取り直してっと。で、私がだれだかわかってんのか? おぉん? ……えっと、私だよっ!!」
背後で「ぶふーっ!」と噴き出す音が聞こえたけどそんなの知らない。
スライムは私を無視してその辺をぴょんぴょん跳ねている。
「私を無視するなぁ!! お前もアーニャも私の扱いがひどすぎるんじゃない!? このっ! このっ!!」
私はその辺の石を拾い上げてぽいぽいスライムに向かって投げつけてみた。
すると、ぽちゃん。と湿った音を立てて石がスライムの身体の中に入っちゃった。
青っぽい色してるけど割と透き通ってるので体内の石が見える。
あ、消えた。
石溶けた!!
「え、あれどうしたらいいの!? 私溶けちゃわない??」
「知らん。頑張れ」
この鬼! 悪魔!
かくしてスライムと私のしつぜつ……ひつぜす? ひつぜつ! そう筆舌に尽くしがたい血で血を洗うような激戦は幕を開けたのだ!
石を拾っては投げ拾っては投げ、私の石ころガトリングガンが火を噴いた。
「おい全然相手にされてないじゃないか真面目にやれ」
「うるさいなぁ! これからだよこれから!」
今度は石ころじゃなくて岩。持ち上げられる程度の、なんとか投げられる程度の、うわこれ重たい! なんとかそれを持ったまま私を無視するムシムシスライムに近付いて頭から、って言ってもどこが頭か分かんないけどとにかく上から落としてやった。
「くらえ ミョルニル岩石!! ていやっ!」
ぱぁんっ!!
結構大きな石だったから衝撃に耐え切れずにスライムが弾けた。
ぶにっとした液体が飛び散って私の服にもかかる。
じゅーっ。
「うわ溶ける溶ける!! 服溶ける! エロ同人みたいになっちゃう!!」
「……」
突っ込みが飛んでくると思ったのに、振り返ってもアーニャは無表情でこちらを眺めていた。
「ちょっとなんか言ってよ恥ずかしいでしょ!?」
「私はあんたの友達だって事が恥ずかしくなってきたよ……」
「そこから!? ねぇそこからなの!?」
「いいから前見ろ。また集まってきてるぞ。復活するんじゃないか?」
「おぉ? いい度胸だやってやんよ!」
「その意気だ。頑張れ。応援くらいしてやるし骨も拾ってやるからな」
んー。そこは素直に応援だけにしてくれると嬉しい。
いや、死んだらちゃんと骨拾ってってくれないと困るんだけどさ。
「気になったんだけど、もし私がやられて溶かされたとするでしょ? 何も残らなかったら復活できるのかな?」
「……」
「ちょっと何とか言って!」
そこは即答してくんないと困る!!
「逃げるぞ」
「逃げるんじゃない! これは戦略的撤退だぁぁぁぁっ!!」
「うるせぇ大声出すなこっちきたらどうするんだ馬鹿!」
「あー! また馬鹿って言った!」
「馬鹿は死んでも治らないってのは本当だったな」
……確かに!!
ただのスライムにすら歯がたたないJKでした。
いろいろお嬢なりに頑張ってはいるんですけどね(^_^;)
でもこのまま終わったりしません。そこはダンジョンらしくアレなアレを手に入れて逆襲が始まりますよ☆