対談するJK。
引き続きもちゃの頭を手櫛で梳いていると、ふいにドアをノックする音が室内に響いた。
「はーい、誰?」
「あー、私。美麗なんだけど……」
お嬢?
もちゃがお嬢の声に反応して身体を固くしていたのが少し面白い。
「お嬢……どうかしたの?」
「ちょっとゆゆに話があるんだよね」
お嬢は扉越しに私を指名してきた。
「それ二人きりの方が良い話かな?」
「えっと……うーん、そうだね。その方がいいかな」
「ちょっと待ってて」
私はひっついて離れないもちゃを説得する。
「ちょっと話してくるからさ、待っててよ」
「……どのくらい?」
分んないって。でもあまり長く言うと嫌がりそうだしなぁ。
「多分十分くらいじゃないかな」
「長い。やだ」
これでも長いの……?
「分かった分かった。じゃあ五分で戻るから待ってて」
「……わかった」
ようやくもちゃが腕を離してくれたので二段ベッドの二階から下へ降り、扉を開く。
「ごめんね。邪魔しちゃったみたいで」
「大丈夫。それより話って? どこで話す?」
「うーん、じゃあオペレーションルームってやつ使わせてもらおうか」
それならすぐ隣だし他の人もこの時間ならこないだろう。
開けて入ろうとしたら施錠されていたので仕方なく課長に言って鍵を預かった。
「……で、話ってなぁに?」
「というか逆にゆゆは聞きたい事とかないの? 私はナビ子として結構ひどい事してきたと思うんだけど」
あぁ、この人私に対して後ろめたいとかそういうアレなのかな?
「別に気にしてないよ。むしろアドバイスくれたり種くれたりしたじゃん」
「……そう言ってくれるとありがたいんだけどね。私はきっとゆゆを利用しただけだよ?」
知ってる。
「アーニャと会う為、でしょ?」
「そう。アーニャと……そしてキャロちゃんとこじこじね。ずっと気になってたから」
再会する為に私を利用したのは分ってた事だけど、別に恨んでもいないし怒ってもいない。
だって今の私があるのはナビ子だったお嬢のおかげだし、今の自分は以前の私より嫌いじゃない。
「私はあのままダンジョンマスターになるまでナビ子をやらされる予定でさ、別に自分で選んだ結果だから仕方ないと思ってたし、いつか遠い未来には会えると信じてたんだけど、きっとゆゆが協力してくれたらもっと早くなるだろうって思ってた」
「どうして私はそんなに買いかぶられてたの?」
「別に理由は無いよ。ただ……なんていうのかな。君は救ってあげなきゃいけない気がした」
救う? 私を?
「アレが救うって事だったの?」
「耳が痛いね……でもこっちにも出来る事と出来ない事が……」
「分ってるよ。ちょっとした意地悪。実際問題本当に助かってたし、アーニャとも再会できたんだから結果オーライでしょ」
「……いや、それが想定より早すぎて困ってるくらいなんだよなぁ」
そう言ったお嬢は、照れ隠しとかそういうんじゃなくて、本当に困っている様子だった。
本当に困っている事情というのがなんなのかは次回!
このままお嬢が加入したまま無事に進むのでしょうか? そもそもお嬢を取り戻した時点でアーニャのやる気は維持できているのでしょうか。






