軍曹さんと激闘するJK。
「メテオフォールインパクトォォォッ!!」
アーニャの叫び声と共に頭上から軍曹さんの身体と同じサイズくらいの隕石が落ちて来た。
なんだかひどくスローモーションに見えたそれが軍曹さんの身体に触れ、その外殻をバキバキと砕きながら燃やし、そのまま押しつぶした。
軍曹さんはきっとでろんでろんに溶けてなくなってしまっただろう。
「あ、危なかったですわーっ!!」
アーニャの攻撃に見惚れている間に、キャロが私の隣まで戻ってきていた。
「二人とも凄いね」
「私はまだまだですわ……アーニャさんのアレはちょっと火力がビッグバンですの」
そうか、ビッグバンかなるほど。
「でもキャロも凄かったよ。全然見えなかったし、あのドメスティックなんとかもかっこよかった」
あれカナあたりが見てたら真似しそうで怖いな……。
出来るかどうかじゃなくて、部屋でいきなりアレの真似をして叫び出しそうで。
そうなったら同室の課長が苦労するだけだけど。
あれ、部屋が用意出来たら別室に移すっていってたっけ?
そんな関係無い事を考えてたら、目の前に軍曹さんの頭が落ちて来た。
かなりびっくりしたけど、もう頭しかないし、その頭もヒビが入ってて今にも砕けてしまいそう。
さすがに生きて無いだろうな。
……って思ったんだけど、急にキャロが慌て出した。
「私がとどめを……か、身体が麻痺して……は、早く逃げて下さいまし!」
いや、どう見たって死んでるでしょこれ。
「ゆゆ! 気をつけろ!!」
まだ空中にいるアーニャがこっちの様子に気付いて叫んだ。
二人とも……どうして?
まさか、これでも生きてるっていうの?
改めて軍曹さんの頭に視線を移した時にはもう頭から足が直接にょきにょき生えてて、目が真っ赤に光って牙には唾液がぬめっと光っててそれが目の前に迫ってて、私にうじゃうじゃした足が一斉に襲い掛かってきて……。
思わず私の移動能力で逃げた。
でも逃げるだけじゃ嫌だ。さっき驚かされたぶん、怖かったぶんのお返しをしてやらないとね。
私は軍曹さんの背後に現れ、急に獲物が消えて驚いている軍曹さんの後頭部、ヒビが沢山入ってるあたりにバールを思い切り突き刺して手加減抜きの炎全開。
私の体ごと燃やし尽くす勢いで全力全開の炎を頭の中に注入してやった。
そしたら今まで見た事もない真っ黒な炎の柱があがって、軍曹さんは今度こそ完全に燃え尽きた。
……なんだあの黒いの。
これが地獄の炎ってやつなのかな……?
「くそっ、結局とどめは今回もバールかよ」
降り立ったアーニャがそんな事を呟いて悔しそうにしている。
そっか、このバールってお嬢が以前軍曹さんを倒した武器だったんだね。
やはりただでは終わらない軍曹さん。
そしてデジャヴのような結末でした。
決着の先に待っているのは……?






