もうどうにでもなれと思い始めるJK。
次のフロアへ到着すると、目の前には大きな湖が広がっていた。
「へぇ……こんなフロアもあるんだね」
とは言っても断崖絶壁と眼下に広がる川、そして吊り橋なんてフロアを経験してるから湖くらいじゃ驚かないけど。
それくらいじゃ驚かないんだけど、湖からでっかい背ビレが見えた時はさすがに驚いたね。
湖って淡水じゃないの?
てかどう考えてもヤバいサイズのサメがいる。
小さなボートが一つ岸に停まってるけど、これで移動しろって事?
「あーやっぱりサメさんの所に来てしまいましたわね」
「こいつがあの時のサメなのか、同じ種類ってだけかは分かんねぇけどな。こいつの再生力はかなりあったから同じでも驚かないが……」
こんなおかしなモンスターと戦って来たって事?
ちょっと理解できない。だって船だよ?
あんなサメに飛び掛かられたら一発で沈没するし絶対食べられて終わるじゃん。
いくら私でも丸のみされたらおしまいじゃない?
それとも排泄物とかから復活するのかな?
うげー、嫌な事考えちゃった……。
「あんなのとどうやって戦うの?」
「簡単だ。湖凍らせちまえばいい。でもその為には一度飛び上がらせないとな」
「いやいや、湖凍らせられるなら氷の下に閉じ込めちゃえばいいんじゃないの?」
絶対その方が安全じゃん。
「ダメだ。それじゃ倒せないだろ」
わざわざ倒す必要あるのかな……。少なくともアーニャには意味がある行為なんだろう。
だったら付き合うけど……。
「結局船に乗っていくの?」
「まぁそうなる。とりあえずさっさと船を出すぞ」
私達は小舟に乗って移動を始め、キャロが自前のポケットから妙な武器を装備した。
両手にすっぽり被せるように装備したそれは、見た感じただの腹話術用のぬいぐるみみたいな感じ。
コミカルなサメの顔をした武器だった。
でも、目がギラギラしてるし歯が勝手にガチガチいってるあたりおっかない。
「よし行くぞ」
船で湖の中腹辺りまで来たところで、分かりやすくサメが飛び掛かってきて、私は一人絶叫してたんだけど、キャロがそのサメの顎をぶん殴って上空へ弾き飛ばす。
弾き飛ばすっていうか頭吹き飛んでるよグロい!!
「よしキャロよくやった」
その間にアーニャが湖を凍らせて、……って簡単に言うけどかなり広いよこの湖。見渡す限り凍り付いてるけどどんな魔法だよ便利すぎるだろ……。
氷の上に落ちてビチビチいってるサメをアーニャが更に直接氷漬けにして、キャロが思い切りぶん殴って粉々。
手に付けたサメがサメの肉を凍ったままバリボリ食べてる。
いつの世も食物連鎖っていうのは自然の摂なんだね。
強い物が勝って、弱い物は食われる運命なのだ。
あーいやだいやだ。
あらゆる意味で当時より成長しているアーニャとキャロなのでした。
お嬢無しでもサメを軽々倒してみせます。そして、次はとうとう……。






