なんだか大人気JK。
「え、何それすごい」
「うわーびっくりしました!! 手が剣になりましたよ!!」
それはそれで凄いけど、初戦闘でモンスターをあっさり倒しちゃった辺りがね、なんていうか私とは違いすぎて羨ましいと言うか尊敬というか。
「油断しちゃだめ。まだ来る」
ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでるカナにもちゃが注意を促し、テンションがあがったカナがもう片方の腕をトゲトゲのついた大きな鉄球みたいな物に変えてモンスターの頭をぶっ叩いた。
「くらえっ! モーニングスターっ!!」
それモーニングスターっていうの?
片手が剣、片手がトゲトゲ鉄球。
結構重たそうなのに軽々と振り回してるあたり力も上がってるのかな……?
「それ重たくないの?」
「いや、全然重くないですよ? 普通に腕振り回してるのと変わらないです」
質量が変わってるのに重量が変わってない……? それはなんだか不思議だけど、形が変わってるだけで手でぶっ叩いてるのと同じなのかな?
「初めてでモンスター倒しちゃうなんて凄いね!」
「えへへ~♪ 頑張りましたっ! 先輩褒めて下さいっ!!」
私の前までカナがとてとて走ってきて頭を突き出してくるもんだからつい反射的に撫でてしまった。
もちゃの癖でつい。
「嬉しいですっ!! 感激です!! 先輩の為にもっと頑張ります!」
先輩の為に、ってとこがちょっと気になったけどやる気になってくれたのはありがたい。
「……ずるい」
おっと……私の腕にコアラなもちゃがむすーっと口を尖らせてむくれている。
「じゃあもちゃも頑張って後輩に負けないようにしないとね」
「わかった。頑張ってぶっ殺す」
そう呟いたかと思うと、さらに集まってきたモンスターと戦ってるキャロの方へ走っていって分身しつつクナイみたいなのを投げつけたりどこかから取り出した脇差くらいの長さの刀でスパスパ敵を倒していく。
相変わらず凄い戦闘力だなぁ……。
「もしかしてもちゃさん頭撫でられるの羨ましかったんですかね?」
「んー、多分ね。あの子私にべったりだから」
「……尊いですね」
その感想はよく分からないけど、まぁああやってやきもち焼いちゃうあたり可愛い妹みたいだなぁと思う。
「先輩先輩! 気が付いたんですけど、この腕なんにでも思ったように形変えられるんですよ!」
カナが腕をぐにゃぐにゃと鎌に変えたり槍に変えたり、どっかの漫画で見た腕に寄生した生物みたいにしたりして見せてくれた。
「汎用性高いな……長さはどこまで伸びる?」
「長さですか……そうか、そういうのも出来るかもですね!」
そう言って遠くのモンスターにカナが腕を突き出すと、ギュイギュイ伸びて尖った腕が敵を串刺しにした。
それどころか、串刺しのまま他に二体ほど更に突き刺して、更に長い棘を発生させモンスターの身体を内側から突き破る。
うわぁ……なんでもアリかよ。
「ほめてほめてっ!!」
「よしよし。すごいすごい」
「あーっ!! ボクも頑張ってるのにずるい!!」
向こうで騒ぐ声が聞こえてきた。
こりゃこれから忙しくなるぞ……。
ゆゆは人から好かれる才能を持っている訳ではありません。
ちょっとアレな人から好かれるタイプの人っていますよね? そういう事です(笑)






