初めて才能を使ってみるJK。
「キャロが倒したら意味ないんじゃないの?」
一応、気になったので聞いてみた。
「あー確かにそうかもしれませんわね。でも今いきなり戦ってって言われて戦えるんですの?」
あっ、そう言えばそうか。
私は一応バール持って来てるしもちゃは心配する必要ないけど、カナはまだ自分が何を出来るのかもわかってないんだもんね。
皆の視線が集まってる事に気付いたのかカナが気まずそうに、「ご、ごめんなさい」と呟いた。
「せめてなんていませんわ♪ 誰でも最初はそういうものなんですわよ。私も初めてダンジョンに連れてこられた時はモンスターに追いかけまわされて泣きながら逃げ回ってましたわ」
さっきの戦いっぷりを見てるととてもそんなふうに思えないけど……。
でも確かに私だって初めて狼と戦った時は怖くてしかたなかったし、いや、今だって怖いんだけど、少しだけでも戦う力が手に入ってからは大分気が楽になった。
やられっぱなしにはならないから。
何度食べられたとしても、炎まき散らしたりぶん殴ったりで少しずつダメージを与えていけるからね。
……食べられるの前提になってる時点で私はどこかおかしいんだろうなぁ。
もうその辺は諦めちゃってるから。
「そう言えば大体の才能は種を食べた時にどんなものかが自分で分かるんですけれど……そういう感じはないんですの?」
そういう物なの? キャロの言葉にカナだけじゃなくて私も驚いてるんだけど……。
私は自分が何を出来るかなんて分かった事ないんだけどな……。
「えっと……一応、なんとなくは……」
え、嘘。じゃあ私だけ? 今だったら移動もやろうと思えばできるけど、種を食べたからといってどうやればいいかなんて分からなかった。
「カナの才能はどんなのなの?」
結構興味ある。私より実用的なやつかな?
「えっと……出来るかな……」
カナが自分の手をじっと見つめて、「こうかな?」とか「あれ、こんな感じ?」とか言ってる。
なんとなくの感覚は分かるけど初めてだから戸惑ってるみたいだ。
手から何か出せるとか? 魔法系かな?
「あらあらモンスターが来てしまいましたわ。実験はまた後にした方がよさそうですわね」
そう言ってキャロが前方から現れたモンスターたちに向かってすっごい速さで突っ込んで行く。……とか考えてる間にもう一匹内臓ぶちまけてる。
「ゆゆ、気を付けて。後ろからも来てる」
「おっけー。あんまり強くなさそうだったら私も少し戦っておこうかな」
「と、とりゃぁぁぁっ!!」
モンスターが背後から現れた瞬間、何を思ったのかカナが手を振り回しながらモンスターに突撃した。
「カナ! なにやってるの!?」
「せ、先輩! 私頑張ります!!」
いや、無茶するなよ……。
慌ててカナの元へ走ったけれど、私の目の前でモンスターは真っ二つになっていた。
カナの腕が肘の辺りから大振りの剣みたいになってる。
すっご。戦い方が不器用すぎるけど。
カナの才能は腕を刃物に変える事、ではありません。その辺の詳しい情報は次回。






