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新しい何かに目覚めるJK。


 じりじりと、ゴリラからは目を逸らさずに後ろへ下がる。

 このままアーニャの所まで行ければそれはそれでいい。

 すぐに回復して終わりだ。


 ただし、アーニャの所までたどり付けたとしても、帰還の石を使うまでに少し時間が必要だろう。

 それをみすみす逃してくれるようなゴリラじゃないんだろうなきっと。


「あー、ちょっと燃えてきたっ!」


 こういう命がけのバトルって言うのに私は少しだけ憧れていた部分があるのかもしない。


 とは言え、死にたくないから勿論危ない戦いはしたくないし、勝てる相手としか戦いたくない。


 だけどアーニャがピンチなこの状況で逃げたら友達じゃない。


 私が死ぬだけなら仕方ないって思えるけど、アーニャが死ぬのはダメだ。

 だから、絶対に生きて帰る。



 ほんの少しでいいからゴリラを怯ませる事が出来れば……。

 私は大虐殺バールを構えて軽く腰を落とした。


 どんな攻撃にも素早く対応できるようにと思っての事だが、そもそも喧嘩も格闘技もやった事がない私がまともにやりあえるわけがない。


 何か、考えないと本当に死ぬぞ。

 アーニャも死ぬぞ。


 自分に言い聞かせる。

 なんとかしろ。私なら出来る。

 私がやらなきゃならない。


「……くらえーっ!!」


 ゴリラの目の前に地獄の業火を呼び出し、炎で攻撃する。

 これはアーニャの魔法ぷちぷちファイアよりは効果があるだろう。

 でも、安心はできない。


 時間を稼げるほどのダメージを与えるか、いっそきっちり倒さなきゃダメだ。


 そんな事を考えてはいるのに、やっぱり私は運動神経がいいだけで、判断力が付いてこないダメな奴なのだ。



「ぐうっ!


「ぉぉぉぉ」


 ゴリラは火だるまになりながらもその突進を止めない。

 目の前まで迫るゴリラに私の足がもつれる。

 どちらに避けようか迷ってるうちに回避不可能な所まで接近されてしまった。


 ゴリラが低い唸り声をあげて腕を振り上げ、私はバランスを崩していて避けられない。


 全てがスローモーションみたいに、視界に映る世界がゆっくりになる。


 これはヤバい。

 よく事故とか、大惨事の前になるやつだ。


 私は昔一度信号無視してきた車に轢かれた事があるけど、あの時の感覚に似てる。


 ゴリラの大きな拳が私に迫る。


「こんな所で……死んでたまるかぁぁぁぁっ!!」


 ぱぁんっ。



 軽い音と共に腕が根本から吹き飛んだ。


「うぁぁぁぁぁぁっ!!」


 何だこれ、何だこれ何だこれ!!


 私はパニックに陥ってしまった。

 やっぱりアーニャは凄い。いつでも冷静沈着で、きっと今私の後ろにいてくれたら、的確なアドバイスをしてくれたはずだ。


 アーニャが先にやられるような事はもう二度とあっちゃいけない。

 死んでも私が守らなきゃ。


 だから


 私は、壁に激突してゴロゴロと私の足元に転がってきた腕を思い切り踏みつけ、叫ぶ。


「かかってこいやーこのゴリラやろー!!」



 腕の次はその頭を吹っ飛ばしてやんよ!




お読み頂きありがとうございます!

心の支えのアーニャが倒れ、全部考えて戦わなければならずかなりテンパってるお嬢ですが、ここから逆襲が始まります☆


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