新たな仲間を迎えたJK。
「……で、結局の所無事に保護出来たからいいものの……ちょっと見積もりが甘かったんじゃないのか?」
「う……アーニャにそう言われると言い返せないけど……でもほら、無事に加奈子ちゃんは保護出来てる訳だし、もちゃの力もきっちり把握出来たわけだし、ゆゆも新しい才能を開花させたわけだしさ。悪い事ばっかりじゃないって事で良しとしないかな?」
「まぁまぁいいじゃありませんの♪ わたくし新しい仲間が出来た事がTBHですわ♪」
TBHってなんだよ……。
私達は加奈子ちゃんを保護してダンジョンから出てから、彼女の母親にいろいろ課長が説明し、加奈子ちゃん本人も説得に参加してくれて私達が彼女の身柄を預かる事になった。
勿論政府からお金も入るみたい。母親は、そういう問題じゃないって怒ったけど、最終的にはなんとか納得してくれた。
それで基地に帰ってきたんだけど、私達だけでダンジョンに突入した事がどうにも気に入らないらしくてアーニャがむくれてる。
彼女にしてみればどこのダンジョンであのナビ子……つまりお嬢って人と話せるか分からない訳だからとにかくダンジョンに入りたくて仕方ないんだよね。
私は課長、アーニャ、キャロのやり取りを聞きながら加奈子ちゃんに小声でそういう流れであの人は拗ねてるんだよって教えてあげた。
「アーニャさん! 気持ちとっても分かる! 誰だって愛している人と離れ離れになってしまったらそうなる筈だもの!」
「う、うわぁっ、なんだなんだこの子は!? ちょっ、近いって!」
加奈子ちゃんは突然アーニャにぐいぐい迫って目をキラキラさせながら一人で別の世界に入ってしまった。
やっぱりこの子はそういう人だったらしい。
詳しく聞いてみたら親と喧嘩したのもなんていうかそっち絡みの件があって、誰にも理解されないような特殊な趣味を持って恥ずかしいとかなんとか言われたらしい。
現に加奈子ちゃんの周りには誰も理解してくれる人は居なくて、だったら自分だけの世界に引きこもってやる! ってなったらしい。
アホらし……。
極度に他者を排除しようとするタイプのダンジョンになっていたのもその辺が理由なのかも。
なんで加奈子ちゃん本人が無事だったのかとかいろいろ気になる事はあるけどそれはまたおいおい聞いてみよう。
「お、おいってば! それに私は別にお嬢を愛してるとか、そういうんじゃ……」
「えっ、違いますの!?」
「ちっ、ちが……わ、ない……けど……」
キャロに突っ込まれてアーニャは顔を真っ赤にしながら本音をポロリ。
そして加奈子ちゃんは更に目を輝かせて……。
なんかこういうのっていいな。
私が今まで必要としていなかった物だけど。
加奈子ちゃんにも、私にも……きっとこういう場所が必要だったんだ。
ちなみに後で聞いたところ、キャロの言ってたTBHっていうのはとってもベリーハッピーの略らしい。
分かるかそんなもん。
まだいろいろ疑問点はありますがその辺はおいおいという事で、今は新しい仲間を歓迎しましょう(^^)






