才能開花するJK。
【才能の種】
レア度:★
攻撃力:‐
属性:‐
追加効果:‐
耐性:‐
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ナビ・ゲタ子が地点到達報酬として用意した才能の種セット。
それぞれ一種類の才能を開花させる事ができ、その見た目からどれがどの才能に対応しているかは判断できない。
経口摂取にて効果を発揮し、開花した能力は経験を積む事により進化していく。
ナビ・ゲタ子は完全ランダムで種を選んでおり、どの才能の種が受け取り側に与えられたのか判断できないが、その効果の程は実際食べてみれば分るだろう。
基本的に開花した才能は自分で認知可能になり、使い方も自動的に理解出来るようになっている。
ナビ・ゲタ子も理解していない効果の種も混ざっている可能性がある為、用途不明才能を引いてしまった場合は諦めるしかない。
苦情は一切受け付けない。
開花させてしまった才能については消去不可能なのであしからず。
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「ねぇ、なんかこれ説明凄く長いけどさ、結局何の才能なのかは食べたら分かるんだよね? 私全然分かんないんだけど?」
「ひぃぃぃやぁっほぉぉぉぉぉぅ!!」
突然アーニャがぶっ壊れたので本気でびっくりした。
だってアーニャが大声出す事自体珍しいというか私に対する罵倒以外でこんな大声を聞いたことが無い。
もっというなら、こんなにテンションが上がっているアーニャを見るの自体初めてだった。
「あ、あの……アーニャさん? いったいどうしちゃったのかなー? なんかテンションアゲアゲの才能でも手に入れちゃった?」
「ふふふ……ふふふふふ……くくっ」
ヤバい。アーニャが本格的に壊れた。
なんだかニヤニヤして顔の筋肉が弛緩してだらしない表情になってる。
可愛いけどこれは私の知ってるアーニャじゃない。
「ほんとに何かヤバい才能ゲットしちゃったんじゃないの!? 顔芸の才能とか脳みそお花畑になる才能とかさ!」
「……いやいや。すまんあまりに嬉しかったもんで笑いが止まらなくなっちまった」
アーニャが深呼吸して、ゆっくりとだけど元の私が知ってるアーニャに戻っていく。
「結局なんだったの? 何の才能が目覚めたか分かるの?」
私は全然わかってないし、そもそもこの種っててっきりゲームであるステータスアップ系の物だと思ってたからどうなっちゃうのか全然想像がつかない。
「ここで試すなら……これかな? ハードグラサン!」
アーニャがやっぱり壊れてしまった。
そんなふざけた言葉を叫ぶような子じゃなかったのに。
……って、うわ……なんぞこれ……。
「あの、アーニャ? なんも見えないんだけど何これ……私失明したかも」
「大丈夫。五分もすれば元に戻るよ。それは私がやったんだ。相手の視覚を奪う魔法だよ」
まじかよ……。
「アーニャいつから魔法使いになったの……? てか魔法とかマジか……」
「私が食べた種の効果だよ。魔法の才能だったみたいだ。頭の中に今数種類魔法が浮かんでる。攻撃魔法もあるぞ? こりゃたまらん最高だ……!」
羨ましい! アーニャがいつの間にか魔法少女になってしまった!!
「ねぇ私は!? 私も魔法使いたい! ねぇ私は!? 何も見えないよ!!」
「私の場合自然に何が出来るか分かったぞ。何も浮かんでこないなら何も出来ないんだろ。才能の種ですら開花させる事ができないなんて……どうやらお嬢は何も出来ない才能に恵まれてるんだな。くくくっ」
くっそー!
アーニャが上機嫌で私を見下しながらほくそ笑んでる気がする!
才能がどうこうより、今その表情を見る事が出来ないのが悔しいぞよ。






