ファーストディープキスしたJK。
貴重な経験を乗り越え人間として一つ大きくなった……かもしれない。
私は強くならなければならない。
物理的には無理。
だから、せめて心だけは強く持って生きないといけない。
死ぬ事が許されないからこそ、心が死んだらもう完全なゾンビだ。
なんでもいい。前を向いて一ミリでも、ナノ単位でもいいから前に進むんだ。
次は、最初に足をへし折ってやった狼を殺した。
治療なんてしてないから変な形に骨がくっついてしまい、不器用な歩き方をするようになっていたから他の奴等よりも簡単だった。
簡単、と言ってもその間に私は何度も食べられている訳だけれど。
いつも意識を失って、気が付くと身体は元に戻っているからどのように再生しているのかがよく分からない。
例えばだけど片腕だけ失って、なんとかそのまま生き延びたとしたらにょきにょき腕だけ生えてくるのかな?
それとも、私は毎回死んで生き返っているのだろうか?
もしそうなら死んだ時点でリセットされるのかもしれない。
今度試してみようか?
だけど試す機会はなかなか訪れない。
何でかと言えば私は毎回狼に殺されてしまうからだった。
残り三匹。
数が減ってからというもの狼も警戒するようになってきて、今まで以上に連携を取るようになってきた。
一匹がわざと私に向かって突っ込んできて、私がそれを蹴り飛ばそうとした瞬間を狙ってもう二匹が私の首筋に飛び掛かってきたり、なにかと面倒になった。
私もだんだん狼のどの辺を狙えばダメージが通りやすいのかっていうのが分かってきて、また一匹、蹴り殺す。
殴ってもこっちが痛いしほとんど効果ないから必ず蹴るようにしてたら今度は奴等私の足ばかり狙う様になってきた。
残り二匹。
なかなか襲ってこない。
距離を取って様子を見つつ、私が油断したところで足を狙ってくる。
両足をズタボロにされてしまうともう私はどうする事も出来ず、しばらく同じ事が続く。
毎回毎回足ばかり狙われるのでヤケクソ気味に狼の口の中に手を突っ込んでぬるぬるした気持ち悪い舌を引きずり出そうとしたんだけど、握力が弱すぎて手が滑るだけだった。
そのまま私の顔面に大口開けて噛みついてきたから、狼の口の中でその舌に噛みついてやった。
よく考えたら私キスもした事ないのに狼とベロちゅうしてしまった。
身体を惨めに食い散らかされるよりも衝撃だったし悲しくなった。
でも、次回で私は思わぬ効果があったと知る。
口の中が痛いらしく、噛みつく力が弱っていた。
私を食べる速度もとても遅い。
脇腹をぐちゃぐちゃやられながら、その横顔に思い切りフックを入れたら、いい具合に目にぐにゃっとめり込んでキャウンキャウンとまるで可愛い子犬のような声をあげ、私は久しぶりに心が痛んだ。
嫌な初体験を済ませてしまったJKなのでした(^_^;)






